ジョゼフ・ガーソン
アメリカフレンズ奉仕委員会
ますます危険な時代における帝国と抵抗
「私には、右側に暗い月が見える」−ジョン・フォガーティ
日本平和委員会にたいし、再び日本平和大会へご招待いただいたこと、みなさんの運動から引き続き学び力を得る機会、私たちの平和、正義、真の安全保障をめざす共同の活動に、私ができ得る貢献をする機会を与えてくださったことに、感謝します。また、上原さんと平山さんに、7月の民主党大会を前に開かれたボストン・社会フォーラムで重要な貢献をしてくださったことにも、感謝したいと思います。おたりのスピーチ、メディアへの働きかけ、そして社会フォーラム参加者との交流によって、アメリカや他の国々の活動家は、米軍基地と日米同盟がもたらしている被害について知ることができました。ふたりを通じて、アメリカの活動家は、日本で憲法にたいする攻撃と軍国主義が強まっていることについて学びました。そして、ふたりの日本の平和運動についての報告は、私が日本を訪れるたびに励まされているように、アメリカの人々を励ましました。
佐世保を訪れると、恥じ入るような気持ちになります。私は、米軍基地による被害に加えて、第二次大戦中アメリカの空襲を受けたあとのこの町の写真を見たことを、覚えています。一目見たとき、私にはこの町の惨状が、広島のそれとほとんど区別がつきませんでした。町は焦土と化し、無数の罪のない人々が殺され、からだと心に生涯残る傷を負いました。アメリカの良心ある人々を代表して、私は、この時代の無差別で破壊的な戦争に道を開いた、親たちの世代が犯したこのような戦争犯罪にたいし、謝罪し、許しを請いたいと思います。
私が今日お話するように要請されたのは、戦争遂行とアメリカの世界的な覇権維持のために米軍基地が果たしている役割、米軍基地にたいする地球規模での抵抗について、今も続いているアメリカのイラクにたいする破壊的な戦争について少し、そしてアメリカの大統領選挙の結果を受けて、どういうことが予想できるかということです。
まず、アメリカの選挙について考えていることをいくつか、お話しましょう。史上最多の有権者が民主党の候補者に投票したのに、アメリカ国民と世界の大多数は、歴史的に重要な敗北を喫しました。私たちはその破壊的な影響を、今後数十年にわたって被ることでしょう。私の仲間の多くは、同胞があのようにわけのわからないことを言い、教養のない、野蛮な人物に投票し得たことに、ショックを受け落ち込んでいる状態です。
ケリーは確かに欠点だらけでした。それは、彼が民主党大会で、「任務についた」ベトナム戦争の英雄として登場しながら、はるかに危険な時代にたいし真の対案を提示しなかったことで、あらわになりました。彼は、重大な見込み違いをしました。2002年4月、イラクにたいする軍事力の行使を認めることに賛成票を投じたこと、そして選挙期間中一貫して、もし自分が大統領に選ばれたら、アメリカはイラクで勝利するだろうと主張したことです。これらすべてが、ブッシュの戦争にたいする彼の批判を弱め、思考が混乱しているという非難をよび、平和運動の支持を大きく制限する結果になりました。同じく救いがたいことは、民主党にたいする企業の影響力が強いために、ケリーはブッシュのごまかしの文化的人民主義にたいし、よりよい賃金、公的サービスの回復、国民への医療の提供、真の安全を提供できるようなやり方での国の富の再分配といった、経済的人民主義への切実な要求をもって対抗できる立場になかったことです。
そうは言っても、ケリーが勝てば、私たちは「戦争大統領」を認めないという意志表示になり、アメリカが世界にもたらしている損害の一部に歯止めをかけるきっかけをつかむことができたでしょう。私たちは、ケリーの勝利を、9・11後のファシズムに向かう流れを減速させるひとつの方法として見ていました。核軍縮という点で私たちが必要としているものを提案することはありませんでしたが、彼は、新しい核兵器の生産を非難し、核兵器実験の再開にも反対していましたし、NPT再検討会議にいたるまでの期間と実際の会議の場で、より柔軟であったことでしょう。イラク戦争は彼の戦争ではありませんでした。ですから私たちは、アメリカの平和運動と国際的な圧力のもとで、アメリカの撤退の可能性が高まると期待したのです。
ブッシュは最終的に選挙人の過半数を獲得したいま、自分は「政治的資本を得た」のであり、「それを使うつもり」だと豪語しています。国際的にも、これまでの政策を続けると明言しています。つまり、単独行動主義と先制攻撃にもとづく帝国主義です。これは、おそらくイラクでの破局を深める結果になるでしょう。イラクではアメリカの侵攻後、10万人のイラク市民と1000人の米兵が亡くなっています。アメリカはアラブ諸国とイスラム世界とさらに敵対し、テロが増えるでしょう。アメリカ政府がのけ者国家になる道を進み続けることで、アメリカの孤立に拍車をかけることになるでしょう。「使いやすい」新型核兵器を開発し核兵器実験を再開するというブッシュの公約と、NPTにたいする妨害キャンペーンは、核兵器の拡散を加速し、核戦争の危険を増大させることにしかなりません。
興味深いことに、私たちは「保守派」や「ネオコン」が第三期ブッシュ政権における地位と優位性を争うなかで、予期せぬ同盟者を発見するかもしれません。ブッシュの忠臣たちが、「ブッシュの外交政策上の決定こそ、彼が大きな勝利をおさめることができた要因だ」と豪語する一方で、超保守派のグローバー・ノークウィストは、逆進的な税制への税法改正と、この世のありとらゆるものの民営化と、政府の産業への規制の完全な撤廃を推進している人ですが、「イラクでの戦争は、票を減らし、ブッシュ連合を脅かしている」と述べています。また、ヘリテージ財団の創始者であるポール・ウェイリッチは、外交政策に関する「真剣な議論」を呼びかけ、「ネオコンのイラクでの冒険が何をもたらしたか、いまやあまりにも明白だ。アメリカは出口の見えないゲリラ戦争にはまりこんでいる。わが国の軍隊はあまりにも手広く展開しすぎて、他の脅威に対応することができなくなっている。このため、真の敵であるアルカイダのような非国家的な組織は、アメリカのイスラム国占領にたいするアラブやイスラムの反発の恩恵を受けている」と述べて、ケリーに同意しました。ブッシュ陣営の中に、現実に向き合おうとするものが出始めているのです1。
国内的には、ブッシュとその副官たちが言っているように、「革命のときがきた」のです2。彼らは、「銃と神」に根ざした選挙運動を展開しました。出口調査は、ブッシュの支持者はイラクでの痛ましい戦争やアメリカ経済の停滞よりも、「道徳的価値観」を重視したことを示しています。ブッシュ支持者の75%が、サダム・フセインが9・11の攻撃に何らかの責任があると信じ、72%がサダムとアルカイダは強力に結びついていると信じています。
なぜ、このようなことがありえるのでしょうか?ブッシュ、チェイニー、ローブは、アメリカ文化の本質的ではあるが、唯一絶対とはいえない構成要素、すなわち、白人で、キリスト教徒で、人種差別主義者だった植民者の精神構造のなごりを利用し、恐怖とうそで支配しています。ある父親ブッシュの顧問が述べているように、自由主義者と左翼は、「いわゆる現実にもとづいた社会にいる…しかしもはや世界は実際にそのように動いてはいない。われわれはいまや帝国であり、われわれが行動するとき、われわれ自身の現実をつくり出すのだ」3。
ブッシュ陰謀グループはまたもや、9・11のトラウマを利用して人々をおびえさせ、偉大なる指導者のもとに結集するよう仕向けました。イラクの大量破壊兵器、オサマ・ビン・ラディン、アブ・グレイブに関するうその遺産と、アメリカの戦争がもたらしているテロリストの増大を、ジョージ・オーウェル流の歴史的事実の歪曲でかたづけながら、ブッシュは再び「われわれが今日直面している最大の脅威は、核兵器がテロリストの手に渡ることである」と主張してアメリカ国民を怖がらせようとしました。ナチスドイツから亡命したドイツの政治哲学者が半世紀前に語ったように、全体主義体制をつくるうえで恐怖は不可欠です。恐怖は、共同体を分断し、ばらばらにし、個々人を孤立させて、よりし操作しやすい「大衆」をつくりだすために利用されるのです4。
1960年代なかばに合法的な人種差別が廃止されて以後、アメリカの過激な右翼勢力は文化戦争を行うことによって、彼らの陣地の拡大と動員をめざしてきました。18、19世紀のロシアのツァーや東ヨーロッパの貴族と同様に、彼らは自由主義者、近代化促進エリートたちを人々の不幸の源であるとし、増大する構造的な不平等や不公正から人々の注意をそらそうとしました。ですから、民主党を「悲観的で弱々しく、優柔不断でめめしい」5、地球規模での「テロとの戦い」に必要な断固とした人物とは程遠いものとして描きだそうとする努力の一環として、共和党大会にはもと俳優の知事、アーノルド・シュワルツネッガーが登場し、ケリーの顧問たちを「女性っぽい男」だと愚弄したのです。政治戦争において、黒人などの有色人種、女性、性的少数派が、しばしば隠語を使っていけにえにされています。その政治戦争とは、「すでに富めるものたちに富をふりまき、まさに上ろうとしている人々の生活を悪化させるためのものである。それは企業社会アメリカの基本的構造を疑問に思わない、大衆文化に対する保守反動である… それは減税によって(近代エリートたる)貴族を打倒することをねらった革命である」6。
いわゆる「道徳的」や「家族の」価値観は、アメリカの右翼が啓蒙思想、科学、自由民主主義の遺産を破壊するために使う、政治的くさびです。アメリカの有権者の少なくとも3分の1は完全に自らを「福音主義キリスト教徒」と考えています。こうした原理主義者の96%がブッシュに投票しました。彼はまた、この地盤に保守的なカトリックを加えることに成功しました。その大多数が女性の中絶権、幹細胞研究の合法性、人々が誰を愛するかを自由に決定する権利に反対しています。歴史家ゲリー・ウィルスはいみじくもこう問いかけています。「進化論よりキリストの処女懐胎説を熱烈に信じる人々は、なお賢明な国民であるといえるのだろうか…」「ほかのどの場所に、原理主義者の熱意、世俗性への激しい怒り、宗教的不寛容、現代的なものへの恐れと憎しみを見出すことができるだろうか。フランスでも、イギリスでも、ドイツでも、イタリアでもない…。われわれはそれをイスラム世界、アルカイダ、サダム・フセインのスンニ派の支持者に見ることができる」7。アメリカはいまや、金融・産業資本の「カウボーイ」部門と、タリバンのアメリカ・キリスト教徒版の同盟によって支配されているのです。
ジミーとジャッキー・マセイにとってはそうではありませんが、私にとって幸運なことに、こうした勢力は南部に集中しています。アメリカの北東部と太平洋岸に住むわれわれは、当面、こうした勢力の最も危険な部分からやや隔離されており、このことが提供してくれるチャンスを最大限生かす責任があります。
言うまでもなく、いまは危険な時代です。ブッシュ=チェイニー=ノークウィスト路線は、税法を書き直し、公的セクターを大幅に民営化し、産業の規制緩和を加速させることによって、貧困・中流階級から金持ちへと大規模な富の移動を行うことです。欠くことのできない公的サービス、憲法が保障する政教分離にたいする攻撃は、国家サービスや社会的サービスから宗教的原理主義者に支配された機関に資金を流用することによって、激しさを増すでしょう。そして、ブッシュ政権は、伝統的ファシズムの基礎であるうそと恐怖による支配を続けています。私たちの民主的な権利と市民的自由が今後さらにどれだけ抑圧され、消えることになるのか、私たちにはわかりません。1980年代、イスラエルの平和運動は、帝国の海外での行動は、長いこと帝国の壁の外に留めておくことはできないことを、私たちに教えました。海外で行われていることは、いずれ国内でも行われるようになり、破壊的な結果をもたらすことになるのです。マルコムXは数十年前、これをやや違う表現であらわしました。「呪いは(ひな鳥のように)ねぐらに戻る」(訳注:悪い言動は必ず自分にはねかえってくるの意)と。
この暗い時代の希望の光は、ケリーが民主党の大統領候補者としては、アメリカの歴史上最高の得票を得たことです。先例のないほど幅広い、おおむね非公式の、全国組織と地域組織の連合が、アメリカの有権者の48%にブッシュへの反対票を投じさせることに成功しました。その反対は、消えることはありません。しかし、私たちが直面している最大の課題のひとつは、その反対を長期にわたって強固なものにすることです。私たちは、過去4年間と今回の選挙から得た教訓に学びながら、体制を再編しているところです。そして、軍事化しファシズムの度合いを強めているこの国に挑むために、アメリカの文化と価値の最良の部分をいかにしてもっと巻き込んでいくべきか、よりよい方法を模索しています。
もうひとつの比較的「いい」ニュースは、命が失われ、損傷を負わされたという点ではこれほどひどいことはないのですが、アメリカがイラクで行き詰まっているということです。このことは、確かに、ブッシュ=チェイニー政権の、他の国々に破壊と大惨事をもたらす能力を制限(押さえ込むことはできませんが)します。空威張りや美辞麗句をもってしても、民衆の力と現実政治の社会的な物理学的特性が、ブッシュ=チェイニーによる帝国のマフィア的行動にまさに現実的な制限を課すようになるでしょう。
彼らが直面している最大の挑戦は、客観的現実です。経済学者ポール・クルッグマンが私たちに思い起こさせたように、傍目に長続きしそうになく見えるものは、実際長続きしないのです。多くの人々に苦しみをもたらしながら、アメリカはイラクの戦争に敗北するでしょう。その侵略と泥棒貴族の経済は、最終的にアメリカの力を制限し、掘り崩すことになるでしょう。私たちには、全力を尽くして殺りくをやめさせ、苦しみを終わらせ、未来に備えねばならないという責任があります。
イラクと帝国の拡大・強化キャンペーン
ブッシュ政権は、アメリカ史上最も帝国主義の野望をもつ、危険な政権かもしれません。その路線は9・11以前からのものでしたが、彼らはさもなければアメリカ国民が容認することはなかったであろう戦争への政治的口実を与えるために、あの日の壊滅的な損失を冷淡かつあざやかに利用したのです。9・11(チリのではなく)への言及や、ほとんど絶え間のないテロの警告や、イラクに関する嘘をくりかえし耳にするなかで、ブッシュ政権は、アメリカが確実に今後何世代にもわたって世界を支配する経済的、政治的、軍事的大国であり続けることができるよう、チェイニー副大統領が2001年の春に述べた「21世紀の枠組み」を、断固として押し付けようとしています。私の友人のジア・ミンが説明しているように、ブッシュ政権は、空間(世界の大部分)だけでなく時間(21世紀)をも植民地化しようとしているのです。
日本軍による真珠湾攻撃の前、アメリカ政府とエリートの外交問題評議会の政策立案者たちは、アメリカが第二次大戦によって世界の揺ぎない軍事的経済的大国になり、唯一の世界市場システムをもつ地球規模の「大地域」を支配することを予想していました。ソ連がライバルの大国として現れるという不測の事態が起こり、45年間にわたり、冷戦がアメリカの帝国的計画の実現を阻みました。ソ連の崩壊以後、まずクリントン政権が、そして現在はネオコンたちが、あの「大地域」をついに作り上げる機会を最大限に活用してきたのです。
イラク侵略と、イランと北朝鮮への一方的な攻撃の威嚇は、たまたまこれらの国であったということなのです。結局、テロも大量破壊兵器も関係ないのです。(アメリカが)「やりたい放題」の「新世界秩序」をつくるという、父親ブッシュのキャンペーンの現代版なのです。アフガニスタンとイラクで行われた衝撃、畏れ、破壊、征服、“体制変更”と占領の目的は、表向きの敵を取り除くことだけでなく、世界にメッセージを送ることだったのです。ウォルフォウィッツ国防次官補はそれについて、アフガニスタンの戦争は他の国々がいまや「われわれを恐れている」から成功だったと、簡単明瞭に言い表しました。ペンタゴンが、新型の先制攻撃核兵器といわゆる「ミサイル防衛」という新しいハイテク兵器システム群の開発・配備に支出し、グローバルな軍事基地体制の拡大を行っているのはすべて、「われわれに挑戦しようなどと、考えることすら無駄だぞ」という警告を伝えるためです。警告の相手は、中国とドイツ、北朝鮮とフランス、ロシア、サウジアラビア、そしてイランの政府です。
ブッシュ政権は各種条約や国際法をいっぺんの紙切れに過ぎないかのように無視するだけでなく、アメリカの外交政策はもちろん、アメリカの政治システムと社会そのものを軍事化しています。過去三年間に、すでに莫大なアメリカの軍事予算は30%以上増え、5000億ドルという理解不能な額に達しています。これは、ほぼ世界の他の国々の軍事予算をすべて合計した額に匹敵するのです!
イラクは、このハンプティ・ダンプティの童話の主人公のように壊れてしまって、元に戻すのは容易ではないでしょう。最近の国家情報評価は、来年にはイラクは次の3つの可能性のいずれかの状態になるだろうと予測しています。1)国家が破綻した混乱状態のなかで、アルカイダのような勢力が聖域として相対的な活動の自由を得る、2)内戦、3)軍事化しますます原理主義的なシーア社会のなかで、脆弱な安定の状態になる。国連が現在警告しているように、1月に予定されているイラクの選挙は、ブッシュとその一味の極めて危険な現実離れした世界をつくる過程での、さらなる腐敗の実践となるでしょう。
アメリカの選挙のひとつの悲劇的側面は、ブッシュとケリーがともにアメリカはイラクでもちこたえ勝利すると主張したことです。2人がめざしたものは、世界で第三位の石油の確定埋蔵量のある地にたいする最大限の支配を維持するだけでなく、アメリカがイラクで敗北して面目を失い、石油の宝庫である中東全体へのアメリカの覇権と影響力が損なわれることを防ぐことでした。そのようなことになれば、アメリカ経済とアメリカ国民数百万人の生活、ひいてはアメリカの世界的な覇権に破滅的な影響を与えるからです。いまや民主党は、戦争は支持しつつ戦争のやり方を批判するというケリーの路線を続けるのか、イラクからの撤退を強く求め、中東の石油王国と独裁体制への依存にたいする真の対案を求めて、帝国ではなく共通の安全保障にもとづく外交政策をめざす道に進むのかの選択を迫られるでしょう。
私たちはみな、イラク戦争は石油が目的だと知っています。ポール・ウォルフォウィッツは、「われわれは、イラクで選択の余地はない。イラクは石油の海で泳いでいる…アメリカ政府の官僚機構と大いにかかわる理由のために、われわれは誰もが合意できる問題、すなわち大量破壊兵器を問題にすることで落ち着いたのだ」と、あからさまに述べています。8
100年前に内燃機関が導入されて以後、石油は帝国の「戦利品」になりました。日本のインドシナ侵略にたいする制裁としての日本への石油の禁輸が、日本のもっとも無謀な軍国主義者たちを真珠湾攻撃へと駆り立てました。第二次世界大戦の結果、国務省は、中東の石油への支配をかちとったいま、アメリカは「戦争の歴史上もっとも大きな賞品」を得たと述べました。以後、アメリカの外交・軍事政策の最優先事項は、アメリカ政府の「敵であれ同盟国であれ」中東の石油への独自のアクセスを得ることを許さないということでした。ヨーロッパと日本、そしていまや中国と韓国の主要な燃料資源への支配権を握ったいま、アメリカは「(世界)資本主義の頚動脈」に手をかけているのだと、もと統合参謀本部議長マックスウェル・テイラー将軍は言っています。そして、石油貿易はオイルユーロやアジア通貨ではなくオイルダラーで行われ、アメリカの銀行にお金が入ってくるのですから、世界の石油供給支配は、アメリカ経済に人工的な補助金をもたらしているのです。
イラクにたいするふたつのブッシュの戦争は、「21世紀の枠組み」の一環として、こうしたアメリカの利益を強化するためのものでした。現在の戦争は、サウジアラビアに関係しています。サウジ王制はますます脆弱に、攻撃されやすい状態になっています。このことで、アメリカ政府はサウジがイランのシャーやフィリピンのマルコスの轍を踏み、アメリカが世界資本主義の頚動脈を握り続けることを困難にするのではないかという危機感を募らせています。アメリカがイラクの石油を支配すれば、必要となれば、不安定な時期には、一時的にサウジの石油にかわるものになり得ます。そして、イラクの戦略上の位置により、チェイニーとラムズフェルドは、イラクをこの地域全体を支配するために常駐している14の米軍基地の新たな受入先として使おうと計画しています。
ニクソンの「ベトナム化」戦略とパレスチナ制圧キャンペーンがはじめから失敗する運命にあったように、すでに挫折しつつある、CIAの情報提供者に転じたかつてのバース党の悪党が率いる傀儡政権へのごまかしの主権譲渡も、やはり同じ運命をたどるでしょう。16万人の外国軍隊に占領されている国が、いったいどのような正当性を持つと言えるのでしょうか9。外国の総督が法律を決めているときに?占領者に利するように国の経済が民営化され変えられているときに?占領者の大使が腐敗した権力を行使して、破壊された社会の再建のための180億ドルの配分を決めているときに?あるいはイスラム教徒が多数を占める国を軍事占領しているキリスト教徒の最高司令官が、「十字軍」を口にしているときに、どのような正当性がもてるのでしょうか。
選択的抑止から一方的な戦争へ
冷戦の終結以後、アメリカは一連の戦略ドクトリンを採用してきました。1987年のレーガン政権の「選択的抑止」ドクトリンは、太平洋すなわちアジア太平洋地域、地中海すなわちヨーロッパ、ペルシャ湾すなわち中東と世界経済という、世界で三つの地域の支配を通じて、「長期にわたる」アメリカの世界支配を想定したものでした。
当時のチェイニー戦争長官の指揮のもとで、ポール・ウォルフォウィッツは父親ブッシュの戦略ドクトリンを起草することが主たる任務でした。そのドクトリンは、いかなる地域的・世界的ライバルの出現も阻むことを、アメリカの戦略上の最優先事項としていました。これは1991年の「砂漠の嵐」作戦で実行にうつされました。あの戦争は、アメリカの中東の石油への特権的アクセスと支配にたいするイラクの潜在的な脅威を取り除くと同時に、ドイツから日本、韓国、サウジアラビアにいたるアメリカの同盟諸国を引き締めることも重要な目的にしていました。また、示威行動としての戦争でもありました。バグダッドにたいし、国連の監視員が「産業革命以前の時代」に戻ったと表現したほどの爆撃をくわえることで、アメリカは中国、イランをはじめとする潜在的ライバルに明確な警告を発したのです。・
ビル・クリントンの「全方位支配」ドクトリンは、ブッシュ二世の「国家安全保障声明」に、さらに近いものです。それは、いかなる国家を、いつでも、いかなる権力の範囲においても支配するというペンタゴンの公約であったし、現在もそうです。それは必然的に、先制攻撃を含む反テロ、先制攻撃と、アメリカ中心のNATO軍のセルビアにたいする決議なしの戦争による国連秩序と国際法の侵害、核不拡散条約の条項遵守の冷淡な拒否という結果をもたらしています。
この4年間、レーガンと父親ブッシュ政権時代のもっとも軍国主義的な面々を最高指導部に置いてきたブッシュ二世とその徒党は、前任者たちのドクトリンの最悪で最も危険な部分を統合し、拡大しています。彼らのドクトリンは明確です。アメリカは、地域的ライバルの出現を阻むために、先制攻撃核戦争を含め一方的に先制攻撃戦争を行うというものです。これは「先制」ではなく「防止」です。イラクの場合で明らかなように、ある国が先制攻撃で破壊されることになるためには、アメリカを威嚇する必要はないのです。その政策は明確で、ライバルとして「台頭する」ことを防ぐために、国々を攻撃してもよいというものです。これは、イラク、イラン、北朝鮮を指すものだと、広く理解されていますが、より長期的には、中国、そして潜在的には欧州連合にも適用されます。私たちが「21世紀の枠組み」について話していることをお忘れなく。
そしてもちろん、ブッシュ政権の「核態勢見直し」は、先制攻撃核戦争ドクトリンに繰り返しふれ、新世代の使いやすい先制攻撃核兵器の開発・配備をもとめています。核兵器実験の再開は2007年に予定されており、この「見直し」は大胆にもイラク、イラン、シリア、リビア、北朝鮮、中国、ロシアを標的国家として名指ししています。これは、核兵器の拡散をすすめ、核戦争の危険を増大させるだけです。
基地帝国
ここで私たちの主要な関心事に話をすすめたいと思います。それは、ニューヨークタイムズでさえ「帝国」と呼ぶところのものを可能にする米軍基地の「弊害と人権侵害」についてです。10外国の軍事基地のグローバルなインフラストラクチャーがなければ、ブッシュ政権のイラクに対する痛ましい戦争と占領は可能にならなかったし、アメリカはオサマ・ビン・ラディンに、ジハードを起こす主要な理由の一つを与えることもなかったのです。それはサウジアラビアの米軍プレゼンスであり、これが腐敗したサウジの支配を強化し、多くのイスラム教徒の観点から言えば、神聖なメッカとメディナの尊厳を汚した行為なのです。
昨年、沖縄の平和大会で見た最も衝撃的な情景は、金武町の校庭の出来事でした。その日、県内の学校では野球の練習が行われていました。さとうきびが育ち、こどもを世話する動物など、自然のリズムが続き、小さい子と年長の子たちが、コーチが打った球を追いかけていました。こどもたちが練習をして、野球の腕や強さをみがいていたとき、まわりの山腹では、砲撃の音がこだまし始めました。米海兵隊が人を殺す腕を練習し磨いていたのです。私が最も心を乱されたのは、こどもたちもコーチも、何も異常で危険なことは起こっていないかのように野球の練習を続けたことでした。海兵隊の砲撃は、金武町の自然環境の一部になっていたのです。
数ヶ月前、現在那覇市長選にでている高里鈴代さんと交わした会話を通じて、東アジアの米軍の植民地主義的要素を以前よりはっきりと理解するようになりました。一世紀前、ヨーロッパ列強とアメリカは、一連の「不平等条約」を日本、韓国、中国、インドネシアに押し付け、東アジア諸国に対する力を強化しました。残念なことに、これらは、過去60年間、これらの国々の米軍のプレゼンスと支配に対し「法的」基盤を与える不平等条約や地位協定などと、あまりにも似ています。
私たちの会話は、食べ物、文化の嗜好、市場の問題になりました。米軍基地やその周りで出回っている安く豊富な食料や製品が、いかに沖縄の文化に浸透し、特に若者の嗜好を変え、マクドナルドやカルバン・クライン、おもちゃのマテルなどの企業のために長期的な市場をつくりあげてきたことでしょう。数ヵ月後、ニューヨークタイムズは私たちの洞察を裏付ける記事を掲載しました。それは、沖縄は長い間その食生活のおかげで長寿県とされてきたが、いまや平均寿命で日本一ではなくなったという記事でした。基地とともにやってきた西洋のファーストフードで、沖縄の人々には肥満とさまざまな健康上の問題が増加しており、人々は早死にしているということでした。
8月に世界大会からの岐路、ハワイに立ち寄りましたが、1世紀以上も前に、アジア・太平洋の支配をめざす戦略的役割のためにアメリカに征服、併合されたハワイに、今もなお軍事植民地主義が続いていることに衝撃を受けました。主要な島であるオアフ島の4分の1は米軍基地として使用され、その土地の大部分は、ハワイの先住民にとって神聖な土地ですが、陸軍は新しい従卒部隊を訓練するために、さらに土地を奪おうとしています。その候補地の中には、ハワイの自然の暦の役割を果たしている神聖な山々の斜面や、そのふもとの平野が含まれており、そこは昔、島の高貴な身分の女性が妊娠すると、出産のために訪れた場所です。
今秋初頭、スカンディナビアで、若い活動家に出会い感銘を受けました。彼らは、ノルウェーの新しい違法な諜報基地と、スウェーデンが長く守ってきた中立を犯す、スウェーデンのスパイ基地を発見し、それらを撤去させるために運動しています。もちろん、米軍基地の危険はアメリカ国民にも及んでいます。ちょうど2週間前、ニューヨーク市からそんなに遠くないニュージャージー州で、「夜間訓練を行っていたF16が、小学校に25発の弾薬で機銃掃討を行った」のです。幸いにも、子供は学校にはいませんでしたが、控え目に言っても、守衛はショック状態になり、その地域は、この出来事に動揺しています。11
ここ佐世保で米軍基地が引き起こしているあらゆる弊害や権利侵害、そしてその拡大のおそれについては、みなさんがお話ししてくださるとことと思います。どんな基地も危険をもたらします。すなわち、自決権、人権、主権の喪失ということです。基地は受け入れ地域と国、その国民の、そしてひいてはアメリカ自身の文化、価値、健康、環境を破壊します。この機会に、良心的なアメリカ人が、普天間基地のヘリコプターが大学のキャンパスに墜落したこと、沖縄の警察が事故現場に立ち入りを許されなかったことを知り、深い悔恨の念と怒りを感じたことをお伝えしたいと思います。日本や他国で米兵による犯罪の記事を読むとき、沖縄の辺野古の新基地建設への動きや、人々が低空飛行や夜間着陸訓練、実弾演習、財産の破壊などから衝撃を受け、感じる恐怖を思うとき、また、基地による環境の破壊やいわゆる「受け入れ」地域や国が、アメリカの侵略戦争に徴用される危険が強まっていることを思うと、同様の怒りをおぼえます。
基地の役割
ブッシュ政権の「国家安全保障戦略」によると、アメリカが40カ国以上に725以上の在外軍事基地と施設を置き、グローバルなネットワークを維持する理由は、「我々が直面している不安定さとたたかい、多くの安全保障上の問題に対処するため」であるとされています。12 アメリカは、「西ヨーロッパと北東アジアの域内外における基地と拠点を、そして米軍の長距離配備のための一時的なアクセス協定を必要としている」13と述べています。コンドリーザ・ライスは一年前に、「大統領の戦略の中心点は、強力な前進プレゼンスである」14と述べ、このことをより簡潔に述べています。
基本的に、米軍基地と施設のシステムの全体が、帝国支配のための統合されたグローバルなインフラストラクチャーなのです。現在、合わせるとざっと40万の兵力がこれらの基地に配備され、維持されています。ヨーロッパ10万、東アジア10万、イラク14万、そして残りは、中東、ラテンアメリカ、アフリカ、中央アジア、そして洋上に配備されています。ジンギスカンやベンジャミン・ディズレーリでさえ、これほど強大な要塞群をもっていませんでした。国防総省のスポークスマンは、今日、「軍隊の目的は国家の戦争を戦い、勝利することである」と述べています。ラムズフェルドは、「これらの基地を静的な防衛からより機敏で、有能な21世紀の態勢に調整するときである」15と明確に主張しています。
米軍基地の存在理由は、現状を強化し、中国のような敵国を包囲すること、米艦船を支え強化すること、米軍の訓練センターとなり、米軍の軍事介入の起点の役割をはたす、核戦争での不可欠な役割も含め、指揮、管制、通信・諜報のC3Iを促進すること、石油、ガスのパイプラインを確保し保護すること、日本、韓国、ドイツ、サウジアラビアなど、受けいれ国の政府と政治的動向を支配することです。現在のイラクがこのリストのトップに来ています。これらは「アメリカの旗を見せる」ための手段であり、特定の国や地域における勢力としてのアメリカの関与が真剣であるとみなされるようその力を誇示するためです。また、軍事基地と呼ぶのはあまりにも早急であるが、アメリカの軍事力は宇宙を支配するために動いています。今日、月にあるのは「探査車」ですが、明日、そこには、地球上の戦争をたたかうため、月と地球の間の「宇宙の井戸」を支配するため、そして太陽系の植民地化のために、基地が置かれているかもしれません。
現在の状況
アメリカの前進配備を再活性化しようとするラムズフェルドの動きは、攻撃的な戦争をたたかうことを必要とするこの政権の誇大妄想的な野望の文脈の中で、最もよく理解することができます。この画策は、ソ連帝国の崩壊により生まれた力の空白を、アメリカ帝国を拡大、強化しようとする15年間の計画の中でも、より野心的な戦術の一つとなっています。
第一に、91年の湾岸戦争の一環として、アメリカは石油の豊富な中東の真ん中に、新しい基地をつくりました。特に、サウジアラビア、クウェート、バーレーン、カタールなどにです。NATOは「域外」作戦の方向に転換しました。そして、アメリカは、日本の政治的文化を傷つけ、再訓練するために、最大限の努力を行いました。その結果がアフガン、イラクでの戦争支援のための日本軍の派兵です。佐世保、横須賀からイギリス、ベルギー、オランダの米軍基地には、アメリカの核兵器が貯蔵され、核積載可能艦船が母港としていたり寄港しています。そして、そこには核戦争を戦うC3I機能が備わっています。これらの基地は、アメリカの核脅迫を支援するために再び使用されました。
クリントンは90年代、この基礎の上に、アメリカの帝国主義的勢力範囲と基地のインフラを強化、拡大しました。東アジアで最も重要なものは、96年のクリントン・橋本合意、SACO合意です。ヨーロッパでの焦点は、大陸を再分割し封じ込めることでした。まさに、中東とソ連の継承国に対するアメリカの介入力を増大し、フランスやドイツの野望に対抗するために、拡大されたNATOに東ヨーロッパを取り込むために策動していました。不法な「コソボ」戦争の後、アメリカは、大規模な新しい基地、キャンプ・ボンドスチールとともに登場しました。アメリカが、民主国家ルーマニアやブルガリアの要塞に広がり、それらを超えてさらに拡大する米軍基地の新しいシステムのさきがけとなると期待している基地です。
ブッシュ二世とチェイニーは、いわゆる「軍事革命」、すなわち、情報と高度技術の兵器開発と戦争への適用という約束を掲げて、権力の座に着きました。この適用は兵器にとどまりません。国防次官補代理のアンドルー・ホエムが述べているように、「転換は単なる新しい能力以上のものである。転換に内在するものは、グローバルな軍事態勢の物理的変化である」。16
ドイツから二つの陸軍師団が、韓国から12000人の兵力が撤退するという報道に見られるように、「中東、中央アジア、その他の戦場になりうる地域に兵力を送れる最大限の柔軟性を持つことを目指して」計画は進められています。ある基地は閉鎖され、ある基地は併合されます。しかし、このすべては、戦争遂行を促進する目的でおこなわれます。目標は、よりうまく中国を包囲し、第二次朝鮮戦争でのアメリカの犠牲者の数を減らし、イランを脅し、いわゆる「テロとのたたかい」をたたかい、そして、東アジア経済の命であるペルシャ湾の石油が輸送されるように、シーレーンをさらに完全に支配することです。
ジョン・ケリーは、ラムズフェルドの計画について、国防エスタブリッシュメントの一部にある懸念を繰り返しました。彼らはこの「再編」は十分考えぬかれたものでないので、同盟国が「価値ある不動産を明渡す」ことを妨げ、「戦争が起こりうる地帯からより遠い自国に兵を戻してしまう」18と恐れているのです。しかしケリーが勝っていたとしても、ラムズフェルドの計画は、ケリーが約束していた「軍事の近代化」の基礎になったと予想されます。
アジア・太平洋での新しいことは、「ペンタゴンのロードマップのすべては、グアムにつながる」ということです。グアムは「世界でのアメリカの活動の主要な中枢のひとつ」となりつつあります19。韓国はより多くの「負担」を担うことが期待されています。アメリカのアジア・太平洋における勢力のかなめ石である日本もまた、現在交渉が行われていますが、その役割を増大することになります。ご存知のように、沖縄のいくつかの基地は、過去10年の和解計画の一環として、本土に移転されることになっています。多くの戦闘機や司令機能がグアムから東京に移転されるでしょう。そして、もし米日政府が「極東」を新たに定義づけするか、あるいは、平和憲法の誓約を打ち砕くことができるなら、米陸軍と海軍をアメリカから、北朝鮮、中国、南シナ海、ペルシャ湾のより近くに移動させる計画を出してくることでしょう。20
オーストラリアの米軍基地は増強されています。フィリピン、シンガポールとのアクセス協定は拡大され、米軍がタイにもどる道が開かれています。フィリピンの新聞は、米軍の高官が、この元植民地に基地を再構築する可能性を非公式に追求している、と報道しています。21
アフガニスタン侵略は、中央アジアに道をひらき、パキスタン、ウズベキスタン、キルギスタン、タジキスタンの独裁政権は、主権を放棄し、ペンタゴンに常駐の米軍基地となるものをつくるよう要請することを余儀なくされました。アフリカは、大陸全体の軍事基地の「家族」として、表面上の、さらにより「活発な」使用のために、役割を増大することになります。そして、アメリカは自分の裏庭であるラテンアメリカのことを忘れてはいません、エクアドル、ペルー、コロンビアに新しい基地が作られつつあります。
ヨーロッパでは、ドイツから東方への米軍の動きは、米軍を起こりうる戦場近くに移動させる以上のことを意味しています。南にいけば、イラク戦争を隠れ蓑に、ブッシュとその仲間は、サウジアラビアの米軍基地のほとんどを、カタール、クウェート、ジブチ、バーレーンに移動させることによって、9・11の大きな原因のひとつを取り除きました。キャンプ・ビクトリーほかイラクに13の常駐基地をつくることにより、アメリカはこの先何十年も、イラクをアメリカの軍事力のとりでとして使おうとしています。22
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