2004年日本平和大会in佐世保


大会基調報告
国際シンポジウム
国際シンポジウム参加パネリストによる発表文
討論のまとめと行動提起
佐世保大会の成功をめざす呼びかけ
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申込用紙(PDF)
ポスター(PDF)



日米軍事同盟打破、基地撤去2004年日本平和大会「基調報告」




2004年11月20日 開会総会・アルカスSASEBO大ホール
実行委員会を代表して 日本平和委員会事務局長 千坂 純

はじめに

 この大会は、イラクで米軍による野蛮な民衆虐殺攻撃がくりひろげられるなかで行われています。アメリカのイラク攻撃が、何の大義もないウソで塗り固められた侵略戦争であったことは、いまや完全に明らかです。いま行われている虐殺攻撃は、占領に反対するものを武力で徹底鎮圧しようとするものであり、いっそうの民衆の犠牲とイラクの混乱を生み出すだけです。私たちは米政府に対し、ただちに虐殺を止め、米軍を撤退させることを
求めるとともに、日本政府に対し自衛隊をただちに撤退させることを求めます。
 いまイラクで繰り広げられている虐殺攻撃には、沖縄から派遣された米海兵隊が参加しています。その海兵隊部隊を運んだのは、この大会開催地・米軍佐世保基地から出撃した強襲揚陸艦です。沖縄で8月に起きた米軍ヘリ墜落事件は、イラク派兵のために整備点検を急ぐ中で発生しました。このように、在日米軍基地は世界中のアメリカの戦争の出撃基地になっています。
 ところが米日政府はいま、こうした在日米軍基地を無法なアメリカの先制攻撃戦略の地球規模の出撃・司令基地として、いっそう再編強化しようとしています。これは、海外派兵を中心任務とする自衛隊の再編強化、そして世界中でアメリカといっしょに戦争できるようにするための憲法9条改悪の動きと結びついています。こうしたなかで開かれるこの大会は、米軍基地「再編強化」をはじめ、日本をアメリカとともに「戦争する国」へと新しい段階におしあげる動きのねらいと、国民との大きな矛盾を明らかにし、これを打ち破る国民的運動をよびかける大会です。
 この日米軍事同盟強化の背景には、米ブッシュ政権の危険な戦略があります。しかしそれに対する批判は国際的にも広がり、ブッシュ政権は国際的孤立を深めています。先の米大統領選挙では米国内でも批判が広がっていることが力強く示されました。再選された米ブッシュ政権は、先制攻撃を含む力による世界支配の態勢をいっそうつよめ、全世界規模で米軍基地を再編強化しようとしています。しかし、イラク反戦運動をへた世界の平和の流れは、その野望を許さない力として発展しつつあり、そこに21世紀の平和の国際秩序を築く展望が生まれています。大会はその展望を明らかにし、平和な世界をめざす国際連帯をよびかけるものです。


【1】 日本における米軍基地再編強化、日米安保の新たな大改悪と打ち破る展望

 まず、いま進められている在日米軍基地の再編強化を中心とした日米軍事同盟の強化の問題について報告します。


(1)米軍「基地再編」の重大なねらい
   
 
米軍基地の「再編強化」でねらわれている第一は、アジア・太平洋全域で戦争を遂行する司令部機能を日本に集中させると共に、世界中に戦力を投入する攻撃力を強化することです。神奈川県座間基地への米陸軍第一軍団司令部の移転、東京・横田基地の第13空軍司令部への統合などが検討されていると言われていますが、いずれもアジア・太平洋全域はじめ地球規模で作戦をすすめる任務を持った司令部です。
 同時に、沖縄での新たな海兵隊巨大航空基地や巨大軍港の建設計画、都市型戦闘訓練施設の建設、佐世保の強襲揚陸艦を中心とした第1海兵遠征攻撃群の編成、横須賀への08年の原子力空母配備計画、攻撃ミサイル装備のイージス艦の日本海配備、三沢、嘉手納などの戦闘機部隊の航空遠征軍への編成と長距離打撃力の強化など、地球規模での「殴りこみ」能力の強化がすすめられています。
 これらはとりわけ、アメリカの利害がかかった中東から北東アジアに広がる地域にいつでも戦力を投入できる「中軸(ハブ)基地」として、在日米軍基地を強化しようとするものです。
 在日米軍基地「再編強化」の第2のねらいは、基地の共用化も含む米軍と自衛隊との一体化です。沖縄の海兵隊部隊の一部本土移転、米軍横田基地への航空自衛隊司令部の移転、米軍嘉手納基地への那覇航空自衛隊部隊の移転などが検討されているといわれています。このねらいは、自衛隊を米軍と「共に訓練し、共に出兵し、生活を共にする」従属軍として、いっそう強化するものです。


(2)米軍基地を横暴と被害に反対する声で包囲し、基地撤去めざす国民的運動へ


 しかし、こうした方向は国民世論ともアジアの平和の流れとも矛盾するもので、未来あるものではありません。まずそれは、今でさえ異常な「米軍基地国家」の状況をさらに悪化させるものです。米軍基地と演習は、地域住民の安全とくらし、地域社会の発展に、深刻な被害を与えています。これにたいし全国各地で、騒音、事件・事故に反対するなど切実な要求を取り上げた、さまざまの運動が取り組まれています。ところが、在日米軍基地がイラク侵略戦争などの出撃基地となるなかで、基地被害がいっそう深刻になっています。しかもこれを「有事」「テロ対策」を口実に、開き直っています。市民生活と「戦争態勢」の米軍基地はいよいよ「共存」できなくなっています。
 基地の再編強化は、こうした基地の危険と被害をいっそう深刻なものにします。小泉首相は「抑止力の維持」とともに「負担の軽減」も基本原則にして対米交渉をすすめるといいますが、実際には「負担の軽減」どころか、基地の強化を押しつけるものです。
 第一に、新たな基地を提供し、被害を拡散し、基地機能を強化する計画です。岩国へのNLP移転や沖縄海兵隊の本土一部移転は、新しい機能強化された基地を提供するという点でも、被害を拡散・拡大するという点でも、沖縄基地や厚木基地の基地被害を抜本的に改善することや返還にも結びつかないという点でも、世界でも異例な「基地国家体制」をいっそう強化するものになっています。
 第二に、日本国民の多数はイラク戦争に反対し、米政権に追随する日本政府の姿勢に対して批判の声を強めています。ところが基地の再編強化は、世界各地で米軍がおこなう先制攻撃・予防戦争の司令・出撃拠点になるということです。これは国民との矛盾をいっそう深めざるをえません。「大義」のない政府は、権力を動員し、莫大な金を投入し、アメとムチで基地の再編強化を強行しようとしています。しかし、侵略戦争の拠点基地になるという点でも、住民のくらしと地域の発展に被害を与えるという点でも、根本的な弱点をもっている基地の再編
強化の動きは、逆に基地をめぐるたたかいを発展させる新たな条件を生み出しています。再編強化の対象とされた自治体の多くが、いち早く反対の声をあげ、日米政府当局の思惑を狂わせています。とりわけ沖縄では、名護の新基地建設反対、普天間基地撤去、伊芸の都市型戦闘訓練施設建設反対など長期の頑強な闘争を積み重ね、基地の県内たらい回し路線(SACO路線)に多数が反対を表明するなど世論の変化が生まれています。これを土台
に、普天間基地撤去・移設反対の運動の先頭に立つ市長が誕生し、参院選でも基地撤去・移設反対の候補が勝利するなど、政治の舞台でも変化が生まれています。新しい条件を生かし、自治体ぐるみ、住民ぐるみの基地強化反対運動を発展させることが大切です。沖縄のたたかいをはじめ、米軍基地強化に反対する自治体ぐるみの運動を特別に重視し、これとの全国的連帯・共同を発展させましょう。騒音、事件・事故の被害などから住民生活を守る切実緊急な課題での取り組みをいっそう発展させるとともに、緊急要求として基地機能制限・停止・閉鎖、地位協定改定などを実現しましょう。
 米軍基地が日本の平和にも、アジア・世界の平和にも有害であることが鮮明になっているもとで、基地撤去を国民的な世論に発展させることがいよいよ求められています。安保廃棄、基地撤去をかかげる勢力が、米軍基地再編強化に反対するたたかいで、これまでの運動の到達のうえに、大いにイニシアチブを発揮しましょう。


(3)自衛隊の海外派兵拡大と憲法改悪の危険な動き

 
 重大なことは、米軍基地の再編強化と一体の動きとして自衛隊の海外派兵拡大と再編強化がすすめられていることです。
 政府はこの間、戦地であるイラクに初めて自衛隊を派兵し、さらに武力行使を目的とする「多国籍軍」への参加を強行しました。さらに、年末に予定されている「防衛計画の大綱」見直しでは、自衛隊の中心任務に海外派兵を公式に位置付け、「国際的安全保障環境の改善」は“自衛”の課題だなどというとんでもない軍事介入正当化の論理を持ち出しながら、そのための法制や装備、体制を強化しようとしています。また、武器輸出3原則の見直しも提起しています。
 こうした動きは、「戦争放棄」の憲法第9条の形骸化をいっそう推し進めるものです。同時に米日政府、そして日本の財界は、アメリカの戦争に自衛隊が地球規模で公然と参戦することができるようにするために、憲法第9条改悪の動きを本格化させているのです。
 また、こうした動きと合わせてすすめられているのが、戦争に自治体、企業、国民を動員していく有事法制の具体化としての「国民保護体制」づくりであり、教育基本法改悪をはじめとした教育の反動化、軍拡財源の創出も一つの目的とした消費税増税などくらしの破壊など、「戦争する国家体制」づくりです。
 しかし、イラク戦争の大義のなさがいっそう明らかになり、占領が泥沼化し、自衛隊や日本人に対する攻撃がたび重なる中で、イラクからの自衛隊撤退は国民の多数の声になっています。自衛隊のあり方についても、「米国の戦略に組み込まれているのではないか」「専守防衛が不明確になっているのではないか」という不安が国民の中に広がっています。憲法9条守れの声は依然として国民多数の声であり、日本の知性を代表する9人が呼びかけた「9条の会」のよびかけに応えて、全国に9条守り憲法改悪反対の共同の輪が急速に広がっています。在日米軍再編強化と一体となった自衛隊の海外派兵の拡大、憲法改悪の動きは、憲法改悪が「日本を守る」こととは無関係であることを浮き彫りにするものであり、これに反対する国民世論を広げる条件を強めるものです。
イラク戦争の実態を告発し、自衛隊の撤退を求めると共に、自衛隊の海外派兵体制づくり反対、憲法9条守れの共同を大きく広げていきましょう。


(4)安保廃棄、対等平等の日米関係への転換こそ未来ある道


 この在日米軍と自衛隊の再編強化は、日米安保条約の「極東」の範囲をはるかに超えて地球規模で戦争をすすめる米軍の司令・出撃基地に日本をし、この米軍と一体となって世界規模で自衛隊が共同作戦ができる体制をつくろうとする、安保条約の新たな「大改悪」というべきものです。政府はこれを、「世界の中の日米同盟」などという「安保再々定義」によっておしすすめようとしていますが、このようなやり方は絶対に許されません。しかしこの間の動きの中で、日米軍事同盟は、「日本を守る」ものでなく、アメリカの戦争に参戦するための対米従属の侵略的軍事同盟であることが、わかりやすくなってきている――ここに、「安保」をめぐる動きを見るポイントがあります。実際、日本国民の考えも変わってきています。       

▼日米安保条約について
  ・将来も安保条約を維持 37% ・安保条約でなく友好条約に31% ・安保条約をなくし中立に14% ・安保条約をなくし他の国と同盟関係を結ぶ 7%

▼日本の安保・外交政策について
 ・国連重視 76% ・対米協調 13% 「毎日(04・1・15)」
 いま、日米軍事同盟の危険な展開は、自衛隊の海外での武力行使まで求めるようになり、憲法9条と並存できないところまですすんだため、いよいよ憲法改悪の衝動を強め、改悪を政治舞台にまでのせつつあります。憲法改悪に反対する広範な動きが草の根で広がっていますが、平和を愛し、憲法改悪の動きにこころを痛める多くの国民もまた、安保問題に直面せざるをえません。ここにも、安保反対の声を国民多数派に発展させる新たな客観的条件が生まれています。
 国際的にみても、非同盟諸国、EU(欧州連合)、ASEAN(東南アジア諸国連合)、イスラム諸国会議、中南米などで、イラク戦争反対にとどまらず、国連憲章にもとづく平和秩序をめざす動きが発展しています。とくにアジアでの平和秩序をめざす動きには、顕著な発展がみられます。いまやアメリカと軍事同盟を結んでいる国の中でも、海外侵略のための遠征軍基地を置いているのは日本だけです。世界とアジアの動きからみても、日米軍事同盟にしがみつき、対米追従をすすめる日本は異常な存在であり、孤立化の道をすすむものです。いまイラク派兵や沖縄基地問題に疑問と批判を持つ広範な国民が、急速に安保条約の本質を理解する新しい条件が生まれています。
 それだけに安保廃棄を求める独自の活動の追求がいっそう求められています。日米軍事同盟の危険を告発するとともに、安保条約廃棄後の平和、独立の日本が憲法9条を生かしたすばらしい平和外交が展開でき、アメリカとも対等な友好関係を発展させる展望を大いに語っていくことが大切です。
 

【2】孤立するアメリカの無法な戦争政策と平和求める世界の流れ

 いま進められようとしている米軍基地の再編強化、日米軍事同盟の大改悪の背景にあるものは、アメリカの無法な戦略です。再選されたブッシュ大統領は、イラク戦争は正しかったと開き直り、あくまで先制攻撃戦略をおしすすめる立場を表明。武力によってイラク占領に反対する勢力を一掃するために、ファルージャの虐殺攻撃を開始しました。いま全世界規模で進められている米軍再編は、こうした先制攻撃戦略をより効率的に、世界各地で行えるようにすることをめざしたものです。しかし、その戦略は矛盾と国際的孤立をいっそう深めています。
 イラク戦争に対しては、アナン国連事務総長も「国連憲章上からも違法なもの」と公然と批判し、ファルージャの虐殺攻撃に対しても「イラク復興全体を台無しにするもの」「暴力の連鎖を断ち切り、国家の融和をすすめるべき」と、その中止を求めました。この蛮行に対する批判は世界中で高まり、イラク国内でもスンニ派政党の政権離脱やスンニ派、シーア派などから選挙ボイコット表明がされるなど、いっそう混迷を深めています。世界の圧倒的多数の諸国がイラク戦争に反対しましたが、国連でも多数の国々が先制攻撃戦略を批判し、国連憲章の原則にもとづく世界の平和秩序を求めています。「対テロ戦争」の名による先制攻撃戦争は、むしろ国際テロ事件を世界規模で急増させ、危険で不安定な世界を招き、この点でも破綻しています。国際世論調査でもブッシュ政権の戦略に反対する声は圧倒的多数です。大統領選挙では米国民の中のイラク戦争反対の世論の広がりが示され、戦費や大軍拡で膨大な財政・貿易赤字が拡大し、覇権主義は大きなゆきづまりに直面しつつあります。
 無法な戦争の足場となっている米軍基地に反対する運動も、今年1月の世界社会フォーラムを機に米軍基地に反対する世界的ネットワークが提唱されています。核兵器廃絶に背を向け、核兵器開発と核兵器使用戦略をすすめる政策に対しても世界的批判が高まり、来年5月のNPT再検討会議に向けて、核兵器廃絶を求める政府・自治体・NGOの共同が発展しています。こうした流れこそ、21世紀の新しい平和秩序を創りだす力です。来年1月
の世界社会フォーラムや5月のNPT再検討会議などに向け、平和の国際連帯をいっそう強化・発展させましょう。


【3】日本の進路が問われるいま、平和の大きなうねりを

 アメリカの戦争に参加する侵略国になるのか、憲法9条を輝かせる平和の国になるのか、日本の進路を左右する重大な選択が問われています。日本をアメリカのグローバルな先制戦争基地として再編強化し、自衛隊の本格的な海外派兵体制をつくろうとする企てを阻止することは、21世紀の世界の平和をつくりあげるための日本国民の崇高な責務です。こうした重大な情勢のもとで私たちは戦後・被爆六〇周年を迎えようとしています。いまこそ、私たちが築き上げてきた平和運動の到達、国民の平和のエネルギー、巨大な平和の流れに確信と展望を持ち、日本を戦争する国にするたくらみを打ち破る運動を大きく発展させましょう。憲法改悪に反対する巨大な国民的共同をめざし、また核兵器廃絶を求め、草の根から手をつなぎ、大きなたたかいをつくろうではありませんか。
 一見すると有事立法が制定され、自衛隊がイラクに派兵されるなど、平和の願いがふみにじられる事態があいついでいるかのように見えるかもしれません。たしかに情勢はたいへん危険な展開をみせています。しかし、一番重要なことは、私たちの力によって、戦争への道はくい止められる、平和な世界への道を切り開くことができる、ということです。
 こうした世論と運動の発展が国内外で生み出されていることはこれまで見た通りです。もっと長い目でみれば広島、長崎を経験した日本国民のたたかいは、核兵器を使用しようとする手を縛りつづけ、いまや核兵器廃絶は世界諸国民と圧倒的多数の政府の共通の願いになり、「核兵器廃絶の約束」の実行を迫る段階まですすんでいます。戦後世界に張り巡らせたアメリカの軍事同盟網は、中東でも、東南アジアでも、南太平洋でも、もはや崩れ去っています。いまや世界は、軍事同盟でなく、国連憲章にもとづく平和秩序を求める声が巨大な流れとなっています。孤立しているのは国際法をじゅうりんするブッシュ大統領であり、行き詰まっているのは小泉首相です。私たちのたたかいは、攻撃から「平和」を守るだけのいわば受け身のたたかいではありません。世界の人々とともに、新しい平和な未来を切り開くたたかいに立ち上がっているのです。
 
次の三つの方向での運動を強めましょう。

 第一に、基地撤去、安保条約廃棄をかかげる日本平和大会に結集するわたしたち自身が、たたかいの先頭に立つことです。地域、職場、学園で草の根から運動をひろげることが決定的に重要です。ここに平和運動の力の源泉があります。
 第二に、基地被害をはじめ地域住民との緊急切実な一致する課題での共同をすすめること、基地・安保、憲法改悪反対などの焦点になっている課題での国民的共同へ努力をすることです。
 第三に、国際連帯、とくにアジア諸国民との連帯を強めることです。世界でアメリカが世界各地でおこなう先制・予防戦争の震源地のひとつに日米軍事詰同盟がなろうとしているだけに、国際連帯はいよいよ重要で切実な課題です。
 イラクでの米軍による虐殺と占領をやめさせ、自衛隊のイラクからの撤退を求める運動を強めましょう。この運動と結びつけながら、「防衛計画の大綱」見直しによる自衛隊の海外派兵軍化の策動を食い止めましょう。
 沖縄県民の切実な要求である普天間基地撤去、辺野古への移設反対の課題を、沖縄と全国の連帯した力で実現しましょう。
 在日米軍基地の再編強化を許さないたたかいを、自治体や広範な住民と共同し発展させましょう。基地の再編強化、日米安保の「再大改悪」、憲法改悪のねらい、その背景にある米戦略や日米軍事同盟の問題の学習を広げ、知らせる活動にとりくみましょう。
 憲法9条守れ、憲法改悪反対の共同を、地域、職場、学園のすみずみにまで大きく広げ、憲法を守る国民的共同を築きましょう。
 3月地方議会での国民保護協議会づくりなどの動きも注視し、地域、職場での有事(戦争)体制づくりに反対しましょう。
 こうした課題について、情勢と運動を学び、交流し、今後のたたかいについて大いに討論していただくことをよびかけて報告とします。(終わり)

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日本平和大会・国際シンポジウム参加パネリストによる発表文
(2004年11月19-20日、佐世保市 長崎県)




ジョゼフ・ガーソン(アメリカ・フレンズ奉仕委員会)
コ・ジソン(韓国緑色連合)
ハーバート・ドセナ(フォーカス・オン・ザ・グローバルサウス)
千坂純(日本平和委員会)

*組織名は所属を示すものです。

1、「世界の米軍基地に反対する国際連帯を―アメリカの危険な戦略をうちやぶり、平和なアジアを」をテーマに開かれた日本平和大会・国際シンポジウム(2004年11月19日-20日、佐世保市)に、パネリストとして参加した私たちは、イラクへの侵略と占領にみられるアメリカの覇権主義的な横暴に反対し、国連憲章がめざす平和と正義の世界秩序の確立をもとめるとともに、米戦略を支える在外米軍基地に反対する国際的共同を発展させる決意を表明する。

2、ブッシュ政権は大統領選挙直後から、ファルージャに総攻撃を行ない、イラクへの軍事支配を強めようとしている。病院への攻撃をはじめ、多数の無辜の市民を犠牲にする米軍の行為は、無法な無差別殺戮に他ならない。私たちは、こうした無法を、世界の人々と声をひとつにして、この犯罪行為をきびしく非難するものである。
 アメリカの武力支配は、武力衝突の拡大にみられるように、事態をいっそう悪化させるものでしかない。私たちは、米軍のイラクでの戦闘停止とすべての外国軍隊の撤退をあらためて要求する。
 米国の蛮行にたいし、世界ではあらたな批判が広がり、ブッシュ政権は孤立を深めている。どんなに強大な軍事力をもってしても、この世論を押しとど
めることはできない。単独行動主義を否定し、国連憲章にもとづく多国間主義的な平和の秩序をめざす国際的共同こそ世界の本流であることを確信する。

3、米政権の侵略と戦争の政策を支えているのが、海外に展開する米軍とその基地である。それらは、米軍による事故、犯罪、環境破壊、さらには地域経済の発展疎外、地域共同体とその文化の破壊など、受入国の国民に多大な苦難を強いている。それだけに、米軍基地に反対する世論と運動が、世界各地で発展しつつある。
 アジアでは、沖縄をはじめとする日本、韓国、フィリピン、オーストラリアなどで、住民ぐるみの運動がとりくまれている。東・南欧の米軍基地強化が問題となっているヨーロッパでも、ヨーロッパ社会フォーラム(ロンドン)での基地問題会議や北欧反基地会議(スウェーデン)など、新たな発展がある。ラテン・アメリカでは、米軍との軍事訓練やアクセス権強化の動きに反対する世論がつよまっている。

4、米政権はいま、世界的な軍の「再編」をすすめようとしている。それは、一部の在外米軍を削減する一方で、イギリス、沖縄・日本、グアムなどを主要な中枢基地として、また、韓国など「前進作戦基地」として強化し、効果的・迅速に侵略戦争をしかける態勢を確立するためのものである。これは、拠点基地とされた国民には、さらなる犠牲を強いるものにほかならない。それだけに、この計画は、基地被害とたたかう住民・自治体の強い抵抗に直面せざるを得ない。さらに米軍と自衛隊の一体化が進められているように、「再編」は、同盟国をより深く米戦略に組み込むものである。そのことは、軍事同盟の解消が、同盟諸国と世界の平和にとっていっそう重要な課題となっていることを示している。

5、以上をふまえ、米政権の侵略と戦争の政策に反対し、諸国民の平和と安全、生活と権利を基地被害からまるために、私たちは以下の行動を重視する。

−米軍のイラク占領に反対し、すべての外国軍隊の撤退を要求する活動、アメリカの先制攻撃戦略に反対し、国連憲章がめざす平和と正義の世界秩序の確立をもとめる世論の発展に尽力する。

−米軍基地の拡大・強化、恒久化に反対するとともに、基地被害の根絶、基地機能の停止、閉鎖、そして最終的な撤去をもとめる運動を、国内、地域、国際レベルで発展させる。

−沖縄、ピョンテク、グアンタナモ、デオゴ・ガルシアをはじめ、米軍基地被害に苦しむ住民と自治体との連帯を強化する。とくに、辺野古沖の新米軍基地建設に反対し、普天間基地閉鎖をもとめる沖縄県民のたたかいを支持する。

−世界社会フォーラム(2005年1月、ポルト・アレグレ)の国際反米軍基地大会と「米軍基地ノー」([NO US BASE])ネットワークの活動を発展させる。

−米軍に治外法権的特権を認める地位協定の改訂をもとめるとともに、アメリカとの軍事同盟の解消を最終的にめざす世論を発展させる。

−反核運動と連帯し、被爆60周年を核兵器廃絶の転機とするたに、核不拡散条約再検討会議(2005年5月、ニューヨーク)での多様な行動、原水爆禁止2005年世界大会を成功させる。

−日米軍事同盟のさらなる強化のために企まれている、第9条をはじめとする日本国憲法の改悪に反対する運動を支持し、連帯する。

−戦争、腐敗政治、神権政治、そして、独裁主義に反対するアメリカの平和、正義、民主主義の勢力を支持する。

 私たちの活動の目標が多くの人々によって共有され、これらの行動に、賛同、参加されることを心から期待するものである。

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日米軍事同盟打破、基地撤去2004年日本平和大会〔討論のまとめと行動提起〕




2004年11月22日 閉会総会・アルカスSASEBO大ホール
実行委員会を代表して 全労連副議長・安保破棄中央実行委員会事務局長 西川征矢

 日本平和大会の討議のまとめと行動提起をおこないます。安保破棄中央実行委員会事務局長、全労連副議長の西川です。日本平和大会は、戦争と平和をめぐるきわめて緊迫した情勢のもと米軍の出撃拠点であるここ佐世保で開催されました。
 1600名近い人々が参加した本平和大会は、国際シンポジウム、各分科会の討議、そして佐世保の基地を二重に包囲した「人間の鎖」、晴れ上がった海を米軍がわがもの顔に基地として使用している現実と、より使いやすくするために投じられている思いやり予算への怒りがこみ上げてきた動く分科会など長崎の仲間の奮闘に支えられ、きわめて豊かな実り多い大会となりました。とりわけガイド養成、地域婦人会の会長や市議会議長のご挨拶など地元佐世保実行委員会の大会成功への努力に心から感謝を申し上げる次第であります。ほんとうにありがとうございました。
 基調報告は、本平和大会を「米軍基地『再編強化』をはじめ、日本をアメリカとともに『戦争する国』へと新しい段階におしあげる動きのねらいと、国民との大きな矛盾を明らかにし、これを打ち破る国民運動を呼びかける大会」と位置づけました。まず、はじめに大会の討議が、本平和大会に課せられたこうした課題に立派に応えるものとなったことを、皆さんとともに確認しようではありませんか。
 昨年の平和大会は、イラク・サマーワに自衛隊派兵が執拗に画策されている最中に開催されました。私たちは、この一年、沖縄の仲間を先頭に「米軍基地の再編強化」を許さない闘いを全国各地で取り組んできました。さらに、イラク戦争に反対する闘いでも、まだまだ不十分さを残しつつも「日米軍事同盟」の危険な本質を明らかにする活動とともに3.20国際共同行動など大きく共同を広げながら闘い続けてきました。自衛隊派兵に反対し、イラクへの医療支援募金にも取り組んできました。
 12月初旬、昨年の国際会議に参加されたバスラ教育病院長のアルアリさんとアンマンで具体的支援の打ち合わせを行う予定になっておりました。しかし、最近彼からメールが届きました。そのメールには、今のイラクは、彼が、バスラからアンマンに向かう安全さえ保障されていないと記されておりましたまた、JVC(日本ボランティアセンター)が、緊急に取り組もうとした、ファルージャへの緊急医療支援についても、その医薬品を届ける赤新月社さえ米軍によってファルージャへ入ることを拒絶されているのであります。イラクを占領し、ファルージャへの総攻撃をかけている米軍は、建物の破壊にとどまらず、イラクの人々のいかなる人権も、いかなる民主主義も、そして人間にとってもっとも基本的な生きる権利さえ完全に奪いし尽くしているのであります。基調報告は、米ブッシュ政権の先制攻撃戦略の危険な本質を厳しく指摘したうえで、ブッシュ政権が国際的孤立を深め、イラク反戦運動を経た平和の流れは、彼らの野望を許さない力として発展しつつあるとし、国際連帯なかんずくアジアの連帯の重要性を強調しました。
 国際シンポジウムは、アメリカ、韓国、フィリピン6人の海外代表の参加を得て開催されました。シンポジウムの討議は、基調報告を積極的に深めるものとなりました。とりわけ、このシンポジウムのパネリストの総意のもとに発表された発表文は、その冒頭で「米戦略を支える在外米軍基地に反対する国際共同行動を発展させる決意」を力強く表明しました。さらにこの文書は、アメリカの「単独行動主義を否定し、国連憲章に基づく多国間主義的な平和の秩序をめざす国際的共同行動こそ世界の本流である」と述べています。この発表文は、今後、平和を求める国際連帯を発展させるうえで激励となるものであります。
 分科会の討議も大きな成果を勝ち取ることができました。分科会討議を通して明らかになった第一は、平和を求める多面的な活動の最も根底に日米軍事同盟の問題があり、そのことと連動し「米軍基地の再編強化」があるということであります。従って、あらゆる運動とあらゆる機会を通じて、日米安保条約の危険な本質を明らかにし、日本と世界の平和を実現する上で安保廃棄が緊急な課題になっていることを強調することの重要性を明らかにしました。
 第二に、「在日米軍基地の再編強化」が急速に進行し、この動きが、「安保再々定義」や有事法制体制の確立、改憲の動きと深く結びつき進行していることへの警鐘であります。各地からの「在日米軍基地の再編強化」に関する実態の報告は、基調報告が指摘するように、この本質が「アジア・太平洋全域で戦争を遂行する司令部機能を日本に集中させるとともに、世界中に戦力を投入する攻撃力を強化すること」であることを極めて鮮明にしました。そのことは、在日米軍基地の存在が、従来の延長線上の問題でなく、与える影響の大きさと広さ、そしてその問題の本質が、従来とは比較にならない深刻さをもつものであることを明らかにしています。
 さらに第三に、したがって国民や自治体との矛盾は、極めて深刻であります。そのことの具体的現われが、極めて保守的な政治風土をもつ鹿児島県議会での日米地位協定見直し決議の採択や神奈川など保守の自治体であってもその首長が次々に「米軍基地再編強化」反対の態度表明し、首長、市議会、住民が一体となって反対にたちあがっていることに現れています。この矛盾こそ、「在日米軍基地再編強化」をゆるさない展望を切り開く客観的条件ともいうべきものであります。この矛盾は、深刻であるだけでなく多面性を持っています。騒音や環境問題などいわゆるこれまで言われてきた「基地被害」にとどまりません。基地周辺の経済問題や自治体の財政、そして教育問題など与える影響は広範囲に渡っております。だからこそ「基地再編強化」に反対する闘いは、あらゆる傾向の人に、大胆に声をかけ対話を行ことが決定的に重要なのです。そして、共同の輪を大きく発展させることを可能にする運動であるのです。
 「もし日本人が本当にイラク人を支援したいと望むなら、最良の方法はイラク人が望むことを尊重すること、つまり、自衛隊が撤退することです。」フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウスのハーバート・ドセナさんが国際シンポでこう発言しまた。
 私たちは、日本の自衛隊が他国の国民を殺戮するという、いまだかつて経験したことのない戦後初めての現実的危機に直面しています。この現実と闘うことができるのは、まさに日本の国民である私たちであります。一日も早く自衛隊をイラクから撤退させること。このことこそ、イラクの人々への何よりの支援であり、イラク問題について私たち日本の国民に緊急に求められている国際的責務であると思います。
 来年の平和大会は20回を迎える歴史的な大会であります。歴史的という意味は、単に平和大会が20回を迎えたということにとどまらず、戦後60年、そして被爆60年という意味も含んだものであります。大会参加の皆さん、私たちは、自衛隊のイラクからの撤退という国際的責務を立派に果たし、この歴史的大会を迎えようではありませんか。大会参加のすべての仲間の皆さん、来年の歴史的平和大会に向け基地のない平和な日本、そして日米軍事同盟の廃棄をめざし全力をあげ奮闘しようではありませんか。
 いま申し上げた大きな目標の実現にむけ以下の行動提起を行います。
 第一に文字通りの草の根からの運動の強化であります。草の根の運動を全国の職場・地域・学園で広げる上で、最も大切なのは学習活動であります。すべての参加者が、職場・地域そして学園でまず本平和大会の報告集会を開催し、大会で得たものを職場や地域の仲間全体のものにしようではありませんか。
 第二にイラク戦争と自衛隊の延長問題に対する取り組みであります。11月30日から自衛隊派兵期限切れの12月14日までを、「ファルージャへの攻撃即時中止!アメリカはイラクからただちに撤退せよ。自衛隊の派兵延長反対!」をスローガンに全国的な運動強化期間に設定します。とくに、中央では、11月30日(火)PM6:30日比谷野音での緊急集会を開催します。この集会を圧倒的に成功させようではありませんか。地方・地域・団体は、中央でのこうした行動に呼応し創造的な宣伝行動などを展開します。また、昨年提起した、医療支援カンパについては、8月に一応の区切りをつけました。しかし、自衛隊派兵が延長されている期間、口座は、開設を継続します。
 第三に沖縄新基地建設反対に向けた運動であります。沖縄、辺野古新基地建設は、新たな緊迫した事態を迎えています。全国から緊急に物心両面にわたる支援を行うことが強く求められています。12月21日は、沖縄・名護市で新基地建設反対市民投票が勝利した8周年にあたります。この日を沖縄の基地撤去要求実現に連帯する全国一斉行動に設定し、全国各地で連帯の宣伝行動など多彩な取り組みを展開します。既に沖縄でも準備が始まっています。また、安保破棄中央実行委員会が呼びかけている、12月21日付け地元紙への意見広告運動を積極的立場から推進援助します。
 第四に「米軍基地再編強化」への取り組みであります。政府は、来年5月までに在日米軍再編の日米合意をまとめるとし、自治体への圧力を強めています。同時に有事体制確立の動きも具体化の動きを強めています。特に再編強化計画の対象となっている地方・地域での、自治体との共同を重視し、広範な住民要求にもとづく反対運動を強めます。また、自治体との連携を強め有事法制体制の進行状況を把握し、体制作りを許さぬ闘いも強化します。以上の運動と結合させながら在日米軍基地の再編強化反対の運動を広げます。岩国の報告にもあったように、米軍基地の再編強化の影響は、周辺の四国・中国全域に及びます。従って「再編強化」問題を、周辺のブロック単位で力を合わせ、目に見える基地撤去・強化反対の行動として取り組みます。3月20日を中心にイラクからの自衛隊の撤退、米軍基地撤去のねらいを、世界の米軍基地周辺の平和団体と調整し、国際行動としても発展させるよう追求します。
 第五に改憲阻止、核兵器廃絶にむけた運動についてであります。憲法を守る闘いにせよ、核兵器廃絶の闘いにせよ、その根底に米ブッシュ政権の先制攻撃戦略、一国行動主義があることは明らかであります。中央での12.8「戦争と憲法を考える集い」5月1日のNPT再検討会議にむけた行動、5月3日の憲法記念日の集会を大きく成功させます。憲法9条を守ることは、イラクの人々への最大の人道支援になるばかりか、アジアをはじめ世界の基地撤去と憲法を守る課題を結合させて闘う事はきわめて重要な視点です。そのことを通じて、核兵器廃絶や改憲阻止の闘いが、より強固な闘いとして発展することにもなるのです。
 最後に、本平和大会には、さまざまな立場から直接・間接にイラク戦争にかかわった皆さんが参加をしております。昨年参加したバスラ子ども教育病院の院長さんのアルアリさんは、いまも尚米軍の砲撃の中、子どもたちの命を守るためバスラの病院で奮闘しています。バクダッド攻撃に海兵隊として参加し大きな心の傷を負ったジミー・マッシーさん。心の傷をおった彼を必死に支えている奥様やご家族。そして、イラクでボランティアや取材の途中拉致され大変な苦労をされ解放された高遠さんや郡山さん。それだけではありません。昨日の人間の鎖行動には、インド洋に派遣された自衛隊員の奥さんの3枚のタッペストリーも参加をしていました。この方は、ご主人がインド洋に出かけ心配でなりませんでした。平和委員会のパンフを3回読み返したそうです。その結果、自衛隊がインド洋に行くことは日本を守ることとまったく関係のないことであることに確信を持ちました。彼女は、「自衛隊員の妻であり、直接人間の鎖に参加することはできないけれどぜひこれを」そう言って彼女自身が作った平和を願うタペストリーを3枚友人にたくしたそうであります。
 戦争がもたらすもの。もちろん戦場であるイラクの人々の犠牲は、言うに及びません。しかし、戦争によって傷つく人々は決してそれにとどまらないのであります。こうした不幸な事態を起こさせない力はどこにあるのでしょう。その力は、各国の平和を求める運動の発展であり、国際連帯の力だと思うのであります。21世紀。この国際連帯の力がまさに奔流を形成し始めています。ここにこそ人類の明るい未来を切り開く確かな展望があると思います。来年の歴史的平和大会で、ふたたびお会いしたとき、お互いに良くがんばった。そう、讃えあえる運動を築こうではありませんか。

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2004年日本平和大会in佐世保の成功をめざす呼びかけ―あなたもぜひご参加を




二〇〇四年七月二二日 日米軍事同盟打破、基地撤去二〇〇四年日本平和大会実行委員会

 一人ひとりの命ほど重いものはない。命をうばう戦争を決して許してはならない――この思いをこめてつくられた国連憲章と日本国憲法第九条守れの声が、世界と日本で大きく広がっています。
 罪のないイラクの人々一万人以上の命を奪ったアメリカのイラク侵略戦争。その「大義」のなさは完全に明らかになり、米政府は世界的な孤立を深めています。国連憲章にもとづく紛争の平和的解決、対話と友好の流れが、アジア、ヨーロッパはじめ世界に広がっています。しかし米軍を中心とする多国籍軍は、今も罪のないイラク民衆を殺傷しつづけています。そして米政府は、米軍基地を世界的規模で再編強化し、新型核兵器の開発をすすめ、無法な先制攻撃戦略にもとづく侵略と介入の体制を強化しようとしています。しかしそれは平和を求める世界の人々との矛盾をいっそう深めざるをえない道です。
 「どこまでアメリカ言いなりなのか」――日本でもこのイラク戦争を支持し、多国籍軍への参加を勝手に決めた小泉政権に対し、国民の批判が広がっています。参議院選挙でも厳しい批判が示されました。小泉政権はさらに自衛隊の海外派兵を拡大。アメリカの戦争に自衛隊が大手をふって参加できるように、憲法第九条を変えようとしています。民主党も同じような方向で憲法改悪を競い、憲法改悪をめざす動きが重大化しています。
 この動きの根っこにあるのが、日米軍事同盟(日米安保条約)です。沖縄はじめ日本全土に置かれた米軍基地が、いまアジア太平洋全域への攻撃拠点として、再編強化されはじめています。“地球規模”で米軍が出撃し、“地球規模”で自衛隊がいっしょに行動する軍事同盟がめざされているのです。けれど、罪のない人々の命を奪うアメリカの戦争の拠点基地となり、その戦争に日本が参加する道を、国民は望んでいません。憲法第九条守れは日本国民多数の声です。

 日本平和大会は、世界各地の平和運動の代表も結集し、イラク侵略戦争に反対し、国連憲章にもとづく平和な世界をの声を広げる大きな役割を果たしてきました。また、米軍基地に反対する運動の国際連帯を強めてきました。そして平和を求めるすべての人々と共に、自衛隊のイラク派兵や「戦争する国づくり」に反対し、「憲法9条を守ろう」、「米軍基地も軍事同盟もない日本を」の声を広げる、大きな役割を果たしてきました。
 私たちはこうした声をさらに大きく広げるために、十一月に長崎県・佐世保市で日米軍事同盟打破、基地撤去二〇〇四年日本平和大会を開催します。
 佐世保市には、米軍の補給・出撃拠点である佐世保基地があります。アフガニスタンでも、イラクでも、この基地の弾薬でたくさんの子どもたちや民衆の命が奪われています。そしていまこの基地は、先制攻撃の拠点としていっそう強化されようとしています。またここは、自衛隊の海外派兵の拠点基地でもあります。
この佐世保に職場・地域・学園から平和の願いを結集し、来年の戦後・被爆六十周年を、平和の流れが草の根から力強く広がる年にしようではありませんか。海外代表とともに、平和なアジアと世界、二十一世紀の展望を開こうではありませんか。そして、命を大切にし平和に貢献する、子どもたちに誇れる憲法の輝く日本をつくろうではありませんか。あなたもぜひ、ご参加を!

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