日本平和大会・国際シンポジウム参加パネリストによる発表文
(2004年11月19-20日、佐世保市 長崎県)
ジョゼフ・ガーソン(アメリカ・フレンズ奉仕委員会)
コ・ジソン(韓国緑色連合)
ハーバート・ドセナ(フォーカス・オン・ザ・グローバルサウス)
千坂純(日本平和委員会)
*組織名は所属を示すものです。
1、「世界の米軍基地に反対する国際連帯を―アメリカの危険な戦略をうちやぶり、平和なアジアを」をテーマに開かれた日本平和大会・国際シンポジウム(2004年11月19日-20日、佐世保市)に、パネリストとして参加した私たちは、イラクへの侵略と占領にみられるアメリカの覇権主義的な横暴に反対し、国連憲章がめざす平和と正義の世界秩序の確立をもとめるとともに、米戦略を支える在外米軍基地に反対する国際的共同を発展させる決意を表明する。
2、ブッシュ政権は大統領選挙直後から、ファルージャに総攻撃を行ない、イラクへの軍事支配を強めようとしている。病院への攻撃をはじめ、多数の無辜の市民を犠牲にする米軍の行為は、無法な無差別殺戮に他ならない。私たちは、こうした無法を、世界の人々と声をひとつにして、この犯罪行為をきびしく非難するものである。
アメリカの武力支配は、武力衝突の拡大にみられるように、事態をいっそう悪化させるものでしかない。私たちは、米軍のイラクでの戦闘停止とすべての外国軍隊の撤退をあらためて要求する。
米国の蛮行にたいし、世界ではあらたな批判が広がり、ブッシュ政権は孤立を深めている。どんなに強大な軍事力をもってしても、この世論を押しとど
めることはできない。単独行動主義を否定し、国連憲章にもとづく多国間主義的な平和の秩序をめざす国際的共同こそ世界の本流であることを確信する。
3、米政権の侵略と戦争の政策を支えているのが、海外に展開する米軍とその基地である。それらは、米軍による事故、犯罪、環境破壊、さらには地域経済の発展疎外、地域共同体とその文化の破壊など、受入国の国民に多大な苦難を強いている。それだけに、米軍基地に反対する世論と運動が、世界各地で発展しつつある。
アジアでは、沖縄をはじめとする日本、韓国、フィリピン、オーストラリアなどで、住民ぐるみの運動がとりくまれている。東・南欧の米軍基地強化が問題となっているヨーロッパでも、ヨーロッパ社会フォーラム(ロンドン)での基地問題会議や北欧反基地会議(スウェーデン)など、新たな発展がある。ラテン・アメリカでは、米軍との軍事訓練やアクセス権強化の動きに反対する世論がつよまっている。
4、米政権はいま、世界的な軍の「再編」をすすめようとしている。それは、一部の在外米軍を削減する一方で、イギリス、沖縄・日本、グアムなどを主要な中枢基地として、また、韓国など「前進作戦基地」として強化し、効果的・迅速に侵略戦争をしかける態勢を確立するためのものである。これは、拠点基地とされた国民には、さらなる犠牲を強いるものにほかならない。それだけに、この計画は、基地被害とたたかう住民・自治体の強い抵抗に直面せざるを得ない。さらに米軍と自衛隊の一体化が進められているように、「再編」は、同盟国をより深く米戦略に組み込むものである。そのことは、軍事同盟の解消が、同盟諸国と世界の平和にとっていっそう重要な課題となっていることを示している。
5、以上をふまえ、米政権の侵略と戦争の政策に反対し、諸国民の平和と安全、生活と権利を基地被害からまるために、私たちは以下の行動を重視する。
−米軍のイラク占領に反対し、すべての外国軍隊の撤退を要求する活動、アメリカの先制攻撃戦略に反対し、国連憲章がめざす平和と正義の世界秩序の確立をもとめる世論の発展に尽力する。
−米軍基地の拡大・強化、恒久化に反対するとともに、基地被害の根絶、基地機能の停止、閉鎖、そして最終的な撤去をもとめる運動を、国内、地域、国際レベルで発展させる。
−沖縄、ピョンテク、グアンタナモ、デオゴ・ガルシアをはじめ、米軍基地被害に苦しむ住民と自治体との連帯を強化する。とくに、辺野古沖の新米軍基地建設に反対し、普天間基地閉鎖をもとめる沖縄県民のたたかいを支持する。
−世界社会フォーラム(2005年1月、ポルト・アレグレ)の国際反米軍基地大会と「米軍基地ノー」([NO US BASE])ネットワークの活動を発展させる。
−米軍に治外法権的特権を認める地位協定の改訂をもとめるとともに、アメリカとの軍事同盟の解消を最終的にめざす世論を発展させる。
−反核運動と連帯し、被爆60周年を核兵器廃絶の転機とするたに、核不拡散条約再検討会議(2005年5月、ニューヨーク)での多様な行動、原水爆禁止2005年世界大会を成功させる。
−日米軍事同盟のさらなる強化のために企まれている、第9条をはじめとする日本国憲法の改悪に反対する運動を支持し、連帯する。
−戦争、腐敗政治、神権政治、そして、独裁主義に反対するアメリカの平和、正義、民主主義の勢力を支持する。
私たちの活動の目標が多くの人々によって共有され、これらの行動に、賛同、参加されることを心から期待するものである。
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