2005年大会INDEX
2005年日本平和大会in神奈川 国際シンポジウム特別報告


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大西 照雄

ヘリ基地反対協議会代表委員

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感謝と共同の提起

 日本平和大会に御参加の国内、国外の皆さん、辺野古の9年余にわたる闘いの支援に感謝もうしあげます。
 まず、最初に、国内においては米軍基地所在地の自治体及び住民の共同の闘い、国際的には米軍基地と闘う民衆の国際的経験交流が重要になってきたように思います。
 わたしども辺野古の闘いは日米政府に2度勝利しています。


二つの勝利の力をばねに

 その1は、SACO合意による海上ヘリポートを1997年12月21日、名護市民投票で示した海上基地ノーの市民意思の確立です。「大切なことはみんなで決めよう」の誓いは、那覇防衛施設局と死の商人たちの振興策に、市民の民主主義と自治の勝利で、今日も光輝く力となっています。
 その2は、民主主義と自治を蹂躙し、日米政府、稲嶺県政、岸本市政が押し付けてきた軍民共用空港を非暴力と学際的共同で頓挫させた2度目の勝利であります。
 米軍再編成は「日米同盟・未来への変革」と規定した新安保条約と言えるものです。その危険な内容は多くの方々が指摘していますので割愛しますが、辺野古の闘いにとっては2度の勝利の力を確認することは、新しい情勢下の中で闘いを築く上で大切なことです。
 辺野古の闘いは2639日プラス588日及ぶ愚直な人々の基地建設を許さない愚直なテントでの座り込み、海上での座り込み、非暴力の闘いでありました。テレビの映像に見られるように日本全国から沖縄への思いに結集でした。また、それは、国際的な注目へと広がった闘いで、今日から発売される『愚直―辺野古から問うものー沖縄非暴力の心』は、わたしのなかで育った非暴力の記録です。
 わたしは、辺野古の闘いは21世紀の人類の歩むべき潮流の地球の片隅での実践と述べてきました。


二つの道の結合

 その1は、地球環境保全の潮流、とりわけ、辺野古にあっては1992年、地球サミットのNGO[地球憲章]と「生物多様性保全条約」の道であります。地球儀を回すと亜熱帯は砂漠で、中国雲南から台湾、南西諸島、近畿に照葉樹林地帯が延び、沖縄は熱帯と亜熱帯の多様な生態系、生物多様性に満ち溢れ、ジュゴン、ヤンバルクイナなど陸と海が一体となって希少生物の宝庫となって、大浦湾は魅力的世界を秘めています。
 その2は、平和の文化を築き上げる21世紀であります。1999年9月13日、国連総会は「平和の文化に関する宣言」「行動計画」を採択しました。今年は「平和10原則」を確立したバンドン会議50周年の年です。ガンジーの非暴力と「平和5原則」とともに、沖縄の闘いの歴史も阿波根昌鴻の非暴力主義、瀬長亀次郎の不屈の闘い、県民の「命ど宝」の文化、床間のサンシンの生活文化は沖縄的「平和の文化」の歴史蓄積あり、非暴力と平和的対話の道は「すべての武器を楽器に」と辺野古の闘いにはサンシンの交響曲が絶えません。
 辺野古の闘いはこの二つの道を求める人々の愚直な共同であった。


悪魔の要塞基地に税金ノー

 米軍再編成で明らかになった辺野古の新基地沿岸案は、単なる普天間移設ではなく機能強化と集約化された要塞基地であります。辺野古弾薬庫と軍港が結合した軍事空港、都市型訓練のキャンプハンセンと通常訓練のキャンプシュワーブは先制攻撃戦略の「悪魔の要塞基地」であり、自衛隊の共同使用であります。ベトナム戦争の発信基地、イラク戦争ファルージャ殺戮の海兵隊訓練基地、米軍再編成で地球的先制攻撃基地化する辺野古基地建設はアジアの脅威の基地となる。
 再編成は日本の財政を圧迫する。沿岸案地には「思いやり予算」の諸施設が現在建設中も含めてリトルワシントンターウンですが破壊し軍事空港にします。米軍基地自衛隊管理は日本の財政投下をもくろんでいると思われます。「日米安保のために税金ノー」の運動が国民にとってわかりやすい状況が出てきました。


三度目の勝利を目指して

 再編成は辺野古沿岸案で見ると「国防省劇場」の筋書きで小泉内閣が踊らされ、アメリカ政府はすべてを得て、さらに、国民に屈辱的要求を求めてくるかも知れません。米高官は感情的表現で再編成中間報告を評価、在沖4軍調整官(海兵隊司令官)は「わくわくチャレンジング」とはしゃぎ、日本政府は特措法制定の政治構造的沖縄差別と床間の「剣」を磨いている。
 沿岸案の生活環境破壊、自然環境破壊は地域住民、県民の絶えがたき反発を招いている。また、全国的に自治体、住民が戦っています。愚直な日々の共同行動が再編成の危険性を暴き、安保と国民の矛盾を浮かびあがらせる実践的行動だと思います。 
私どもは12月23日市民投票9周年、大浦湾で大規模の海上デモを企画している。辺野古テント村は再編成で闘う全国のシンボルとして3月の最終報告まで畳むことはない。辺野古は新しい学際的学習と共同の闘いの模索に入り、法律家との共同が特に重要になってきました。「行って見て聞いて確かめ」は闘いの実践的力の源泉です。沿岸案の大浦湾を泳ぎ、長島からの学習が大切になって来ました。
 平和丸は皆さんを歓迎します。

05年11月18日記