(原文英語)
イラク問題の国連による平和的解決と一方的攻撃の中止をもとめる
日本平和大会・国際シンポジウムのパネリストを務めた私たちは、国際の平和と安全の実現をめざす立場から、国際連合安全保障理事諸国が、イラクの大量破壊兵器査察をめぐる諸問題を平和的に解決するようつよく要請するものです。
国連憲章は、「国際紛争を平和的手段によって…解決しなければなら」ず、「武力による威嚇又は武力の行使を…つつしまなければならない」(第2条)としています。そして、加盟国への武力攻撃にたいする自衛権を例外として、唯一安全保障理事会に「国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な…行動をとる」(第42条)権限があたえられています。
国連安全保障理事会が11月8日に採択した決議1441は、イラクが決議を履行しなかった場合、「直ちに理事会に報告するよう指示」し、安保理が次の措置を決定することとなっており、イラクへの自動的な武力行使の委任を排除しています。安保理各国は、この決議にもとづいて、問題を国連の枠内で解決することがもとめられています。この点で私たちは、アメリカ合衆国が、イラクにたいし先制的な武力行使を留保していることに、大きな懸念を表明せざるをえません。そのようなことがゆるされるならば、国連が想定した世界秩序はくずされ、一方的戦争を前提とした暗澹たる世界を招来することにもなりかねません。一方、イラクには、この決議を履行するために全面的に協力すべきです。
アメリカ合衆国が、核兵器先制使用の可能性を公然と肯定していることは、ヒロシマ・ナガサキの悲劇に示されるように、国際人道法への明白な違反にほかなりません。
イラクの大量破壊兵器査察問題にどう対処するのかは、21世紀の平和的展望にかかわる重要問題となっています。イラク問題を、国連の枠組みで平和的に解決し、国連憲章にもとづく世界の平和的秩序確立への展望をきりひらくことを訴えるものです。
したがって私たちは、以下の点を貴国に要請します。
―決議1441を関係諸国が厳格に履行することによって、イラクの大量破壊兵器問題を平和的に、国連の枠組みのなかで解決すること。
―国連憲章に反する、イラクへのいかなる武力行使もおこなわず、その計画、準備を放棄すること。
―核兵器の使用とその威嚇をゆるさず、それらを禁止すること。核兵器全面廃絶を実現すること。
貴国の誠意ある回答をお待ちします。
2002年11月22日
(パネリスト各氏の署名)
ジョアンヌ・コマフォード (Ms. Joanne Comerford)フレンズ奉仕委員会(アメリカ)
イ・ユジン (Ms. Lee Yujin)緑色連合(韓国)
ガン・テイク・チー (Mr. Gan Teik Chee)公正な世界のための運動(マレーシア)
内藤 功 日本平和委員会代表理事(日本))
高橋和枝 新日本婦人の会副会長(日本)