ギリシャ国際緊張緩和平和委員会
ギリシャにおける米軍基地
問題は過去に発生したが、米軍基地がギリシャにたくさんあるため今日もなお継続している。
ギリシャにおけるアメリカの軍事的な駐留は1946年から1949年にかけての市民戦争の時期以来で、そのとき米国は人民の反帝国主義闘争を押さえ込むために介入した。
しかし、米軍基地はギリシャでは1953年に是認されており、それはわが国のNATO加入から一年後のことだった。
1.アメリカの軍事基地は、ギリシャの人々に政治的な圧力をかけて彼らの民族的独立に損害を与えるために使われてきたし、今なおそうなっている。軍事的な駐留そのものが、政治的・イデオロギー的・金融的な影響をおよぼすための効果的な手段である。基地を焦点として公式または非公式に、軍事・政治・金融・イデオロギーの基盤のなかで、多くの手段で米国の政治的支配が水脈となってこの国の内部に流れるように、協力者たちの人目につきにくい全面的なネットワークが作られている。
君主制ファシズムに友好的な諸政権を押し付けるために1946年から1949年の間、わが国で米国の軍事顧問が果たした役割のことはよく知られている。1967年から1974年にかけての軍事的ファシズム独裁の押し付けのため米国が果たした行動的な役割もまた広く知られている。今日に至るまで、基地群はわが国の政治的な諸事情に介入する媒介となっている。
2.これらの基地群はしばしば隣接する諸人民に対して用いられる。ギリシャの大地に置かれた基地群は、1983年にはアメリカの第六艦隊がベイルートを爆撃するのに使われ、1986年にはリビアに対する米国の攻撃を、そして1990年にはイラクに対する攻撃を容易にするために使われた。ギリシャに置かれた米軍基地はまたスエズ運河をめぐる六日間戦争のときイギリスによって用いられ、また最近ではボスニアに対し、また続いてユーゴスラビアに対するNATOの爆撃に使われた。
これらの基地群が土台となって、コソボの占領を狙ったNATO軍がギリシャ経由で出撃することが可能になった。この場合、民間港湾や空港その他のような非軍事的な民間施設も彼らは使用した。
また基地群はNATO軍の演習がバルカン半島や東地中海地域全域での将来の干渉のために為されるのにも便益を与えている。最近こうした種類の二つの演習がギリシャの大地で実施された。
3.わが国では、約二十発の原爆が非合法に貯蔵されている。ちょうど一年前、ギリシャ政府はなおもその存在を否定していた。
4.ギリシャにある米軍基地は1990年代の初期に減少したが、それはもはや必要のない若干の基地が閉鎖されたからであった。いま最も重要な基地群は、サウダのものと、アラクソス(ここにも原爆がある)で、またアクチオ基地群にはスパイ航空機AWACSが置かれている。
5.テッサリアのNATO軍司令部と、キルキス地区に置かれたバルカン多国籍軍の司令部はきわめて重大である。これらの司令部はNATOの50周年にあたって採択されたNATOの新戦略ドクトリンに従って機能しており、広い地域のどこにでも介入して利益を賦課する用意がある可変的な軍事的単位から成るNATOの新しい機構要素にもなっている。
6.米軍基地に加えて、ギリシャ政府がNATOの新しいドクトリンと同盟の新しい構成を受容したことは、この国の主権にとって脅威となっている。例えば、エーゲ海で行われたNATO海軍の最も新しい海軍演習の際、軍用機は数十年間も国際法に従って提出してきた飛行計画をアテネのFIRに出そうとせず、イタリアのナポリのNATO司令部に飛行計画の若干の要点を提出しただけであった。
7.そのうえ、これまで幾度も明白になったことだが、アメリカの軍事基地が存在することはわが国の防衛能力を掘り崩しており、それはギリシャの軍隊が必要とされるときにこれらの基地群によって妨害されることがあり、またわが国の重要な軍事機密が米国によって他の国々に流されたことである。
8.基地群の勤務兵は、まったくしばしば、基地が存在する地域の住民と紛争をおこすが、それには暴力行為や一般刑法の他の犯罪もまれではない。最近では、こうした多くの行為がテッサロニキとクレタ島で発生した。犯罪者たちは、公務中の行為であった、という口実でアメリカで裁判をするために本国に送還された。
他方、人々の抗議のデモ行進に対する基地勤務兵による明白な抑圧の行動も確認された。例えば、クレタ島では普段着のNATOの兵士たちがEEDYEの一人の幹部を射撃しようとした。
9.基地勤務兵士に関しては、あの受忍できない原則である治外法権がまかり通っている。治外法権の原則がアメリカ兵の犯した犯罪に対し対して効力を持つのは、公務中だけに限られる。ところが事実は、法律への違反はどれもこれも公務中に生じたことにされて、その結果として一般刑法への違反者に対してさえも、ギリシャで犯人が裁判を受けないで米国で受けている。
10.そのうえ、わが国の議会の多数与党が法的に批准した最近のギリシャとNATO軍司令部との協定は、無実の状態から開始することを前提としている。協定の第六条によれば、NATOの将校たちは<逮捕もしくは監禁されないこと>と<彼らの権限の文脈の中でその公式の性質において彼らが書いた言葉を含む談話と行為に関する法的裁判権に拘束されないこと>を権利としている。事実、彼らは彼らがやったり言ったりするすべてについて罰せられない状態を楽しんでいる。
11.ギリシャの憲法に反する不確認の数の秘密協定があることもまた推察されている。
12.1990年に法律が批准された、基地群についての最新の協定によると、基地群の維持は毎年の年末に行われる外務省間の簡単な覚書交換によって無期限に続けることができるようだ。
アメリカの基地群に対する人々のデモはしばしばわが国で行われ、それは通常それらの外側で行われる。ギリシャにはアメリカの基地群に反対する永く続いてきた広範な運動があり、その故に軍隊がデモを弾圧するといった現象もまたしばしばある。
デモ参加者たちは、主に勤務兵や装備を移動させ、基地の活動を幾度も阻止してきた。EEDYEとわが国の人々は、すべてのアメリカの基地群をギリシャからとりのぞくことを確固として要求している。