2000年大会INDEX
2000年日本平和大会in沖縄国際シンポジウム 海外からの文書報告

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ハンス−ペーター・リヒター

ドイツ平和評議会
ドイツ・日本平和フォーラム

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 平和の友人のみなさん、

 沖縄の日本平和大会に連帯の挨拶を送ります。私たちは7月20日、嘉手納基地の人間の鎖行動に参加しましたが、今回は参加できません。
 この大会が成功して、世界中からすべての軍事基地をなくし非軍事の協力を築く第一歩を記すことを祈っています。
 沖縄には、ドイツ、とくにベルリンとの共通点がたくさんあります。1945年から1990年まで、ベルリンは軍政下に置かれ、東ベルリンはソ連に、西ベルリンはアメリカ、フランス、イギリスに統治されていました。4大国はどの国も、土地と家屋を接収し、自国の軍事基地をつくり、兵士の住居にあてました。
 沖縄住民に対する米兵の犯罪と同様に、4大国の兵士たちはドイツ人住民に対して次のような犯罪をおかしてきました。
- 土地の徴用
- 殺人
- 婦女暴行
- 航空機や戦車の演習による騒音公害
- 灯油その他の化学物質による土地の汚染
 私はちょうど、1945年から1995年の沖縄について多くの文献を読んだところです。沖縄の人々の苦しみは、ドイツの経験よりさらにひどいものだったと思います。
 ベルリン特有の状況として、冷戦時代の鉄のカーテンがまさにベルリンの中心をとおり、4大国が「自分のドイツ人」をそれぞれの政策に同調させようとしたことがあります。
 これは長い話になります。もしよろしければくわしくお話したいと思いますが、みなさんの関心はもっと現在のことに向いているでしょう。1994年を境に、ベルリンからは外国の軍隊がいなくなりました。しかし、NATOによって西ドイツには多数のNATO軍が駐屯しています。さらに、航空機用の核弾頭が66発、配備されています。アメリカの核爆弾がラムシュタインに55発、ブッフェルに11発あります。ブッフェルでは、ドイツ空軍がアメリカ空軍とともに核爆弾投下の共同訓練を行っています(この計画は「核のパートナーシップ」と呼ばれています)。私たちは、多くのデモ、基地への不法侵入、現地調査を行いました。これらの活動のために、ドイツの活動家は何年にも渡って裁判にかけられてきました。今年も例外ではありません。最大のアメリカ空軍基地は、ライン・メイン空軍基地です。最大の指令センターはシュトゥットガルトにあります(EUCOM)。私たちはこの両方に対して行動を起こしました。ドイツの裁判所では毎年何件か裁判がおこなわれています。私たちは、これらの訴訟を一般に知らせるよう努めています。
 もうひとつ沖縄との共通点があります。フランクフルトのライン・メイン空軍基地とシュトゥットガルトのEUCOMは、他の国々に対する戦争に使われているのです。この地から、アメリカの爆撃機が湾岸地域やイラクやユーゴスラビアに飛び立ちました。1990年の「4プラス2条約」でドイツからは平和しか発信しないと約束したにもかかわらず、私たちの国から戦争が起こされています。ユーゴスラビアに対するNATOの戦争は、この条約だけでなく、ドイツ憲法(第26条)、国連憲章、ジュネーブ条約、そしてNATO条約自体にも違反するものでした。このことから、ドイツの平和運動は、NATOの対ユーゴスラビア戦争に関して欧州法廷を組織することを決定しました。2000年6月2日と3日には、16カ国から500人以上の参加者がベルリンに集い、判決を聞きました。19の罪状すべてにおいて、NATOの指導者に有罪判決が下されました。ドイツ平和運動は、公判と判決について3冊の文献を出版しています。くわしくは私たちのホームページをご覧ください。アドレスは、<www.nato-tribunal.de>です。ドイツ語、英語、フランス語で書かれています。

 ここで、7月に私たちたちが沖縄に送ったメッセージの一部を繰り返したいと思います。
 「いまこそ、ドイツと日本が戦争遂行への追随をやめるときです。私たちは、覇権のない平和な世界、すべての国の人々が命令に従う者としてではなく自由な人間として平等な権利を持って生きる世界を望んでいます。」
 ドイツが1999年に再びとった戦争の道は誤っていました。私たちは、日本が再び戦争の道に戻らず、日本国憲法第9条を遵守することを望んでいます。日米安全保障条約の新ガイドラインのために、日本が戦争に巻き込まれる危険が大きくなっています。沖縄の軍備もいっそう拡大されるでしょう。
 沖縄の問題は、安全保障や自衛の問題ではありません。1945以後、沖縄から行われた自衛行為はひとつなく、一方で、韓国やベトナムに対する無数の侵略的な戦争行為が行われました。
 ここ沖縄に集った私たちには、G8諸国のリーダーたちに対して戦争準備計画を放棄するよう訴える責務があります。国際的な連帯によって、平和な世界をつくる道を見出さねばなりません。日本国憲法第9条は、その道をしめしています。最良の安全保障は、平和的な協力、公正な貿易条件、信頼の醸成によって得られるのです。
 世界中からすべての外国軍事基地をなくしましょう! 沖縄を平和の島にしましょう! 沖縄と日本全土を憲法第9条の島にしましょう! 軍事条約ではなく、平和と友好の条約を結びましょう! この点において、私は、私が代表するドイツの3つの組織だけでなくドイツの平和運動全体がみなさんの側についていると言うことができます。