2010年大会INDEX

2010年日本平和大会in佐世保「全体集会T(開会)」海外代表あいさつ

 

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コラソン・ヴァルデス・ファブロス


フィリピン・外国軍事基地撤去国際ネットワーク

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 沖縄からの感動的な報告から、痛みとともに、温かい勇気をもらいました。私には、フィリピン人と同じように米軍基地に苦しむ沖縄の人々の状況がよくわかります。土地と資源の略奪、環境悪化、女性と子どもに対する搾取、人権侵害、内政干渉、経済的搾取に苦しめられてきたのです。しかし、どんな困難や試練があっても、平和で基地のない沖縄と日本を目指す皆さんのたゆまないたたかいは、私たちを励ましつづけ、心を温め続けるでしょう。この重要な大会に反基地ネットワークを迎え入れ、私たちを一つにしてくださった、日本平和委員会をはじめとする平和大会実行委員会のみなさんに感謝します。このような大会こそが、より平和な未来のための希望と確信を若い世代に与えてくれるのです。

 沖縄とグアムは2000キロにおよぶ太平洋の海で隔てられていますが、第2次世界大戦以来、米軍の活動遂行の人質にされ、深く結びついています。フィリピンと同様、どちらも終戦後、強制的にアメリカ領に編入されました。また、太平洋で最も血なまぐさい戦闘の場となりました。今日、沖縄とグアムに関わる大きな問題は、沖縄の米軍基地からグアムへ数千人の移転が計画されていることです。日本政府(つまり日本の納税者)は60億ドルにのぼる移転費用の大部分を負担します。残念ながら、日本政府はこのような前例のない膨大な負担に同意してしまいました。明らかに何の法的根拠もないのに、外国がこのような額の負担を行うのは初めてのことです。米海軍による環境影響報告ではすでにグアムの人々への悪影響が示唆されています。この計画は、社会的分断や犯罪、環境悪化など、グアムの人々の数十年にわたる苦しみをさらに増大させるものです。彼ら支援することが緊急に求められています。

 私たちは、草の根の運動を組織し、そして特にアメリカの平和と正義の運動と団結し連帯を強めなければなりません。未来を担う若者の活発な参加へ希望をもち、とりくみを続けましょう。今のメディアの傾向を最大限活用し、私たちのメッセージと呼びかけを広めましょう。演劇や音楽、詩、ダンスなどあらゆる形のアートを含め人々の表現の場をつくりましょう。系統的かつ一貫しだ努力が必要です。一歩一歩、平和と基地反対をもとめる声を結集しなければなりません。アメリカという帝国に挑戦するにはそれが必要なのです。

 私たちは、政府や軍の関係者を含め学者、知識人、専門家などの支持や活動を再評価する必要があります。彼らは様々な分野で情報や知識を提供し、私たちの味方になれる人々であり、彼らの情報や知識は、今私たちに必要な効果的で信頼できる運動のための力となるからです。アジア太平洋の反基地ネットワークは、情報と分析の有意義な交流のためのメカニズム、人々の連帯、そしてこの地域での私たちのとりくみを確固としたものにする場を提供する役割を果たしたいと思います。

 私たちは、前宜野湾市長の伊波洋一さんの沖縄県知事選挙での勝利を期待していました。彼こそ、普天間基地閉鎖と県外移設のために全力を尽くしている人であり、そもそも日本には基地はいらないと考えている人です。当選はなりませんでしたが、この選挙で沖縄県民の意志をはっきりと示すために奮闘した沖縄の人々、そして日本の連帯運動のしなやかさと努力をたたえましょう。仲井真知事は選挙で勝利しても、これからこの現実に向き合わざるを得なくなり、これは基地のない沖縄を求める人々の意志の勝利でもあるのです。

 私たちは、29万7082票という大きな支持基盤をいっそう強固なものにしていく必要があります。これは、大多数の沖縄県民の意志を表したものです。伊波前宜野湾市長が沖縄の運動を代表する強力な声を発信し続けてほしいと願っています。私たちがかちとった成果を政治的に有利に展開する絶好の機会です。

 今日、沖縄の人々の抵抗は、平和で基地のないアジア太平洋への夢と希望に励ましを与えるシンボルとなっています。

 強力で団結した人々の運動は、いつの日か沖縄と日本から米軍を追い出すでしょう。それはたやすい道のりではないかもしれませんが、時間はかかっても必ず実現します。壁に書かれた漢字のスローガンは、沖縄県民の明快なメッセージを発信しています。「沖縄に基地はいらない!」「日本に基地はいらない!」「世界の運動は一貫して帝国の前哨基地の撤去をもとめている!」

 辺野古の基地建設計画は、沖縄の人々の粘り強い抗議行動と国際的圧力によって、16年間ものあいだ実現に至っていません。今こそ日本政府が移設案を放棄し、普天間基地無条件撤去のために米国と交渉すべきです!

 困難にぶつかっても、私たちは、勇気をもち、団結し、連帯し、私たちをひとつにしてきた壮大な事業に、楽しく一生懸命とりくみましょう。私たちは勝利します!