2010年大会INDEX

2010年日本平和大会in佐世保「全体集会T(開会)」海外代表あいさつ

 

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李俊揆(イ・ジュンキュ)


韓国・労働者代案社会学習院講師

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平和大会にお招きいただきありがとうございます。
韓国から来ました李俊揆と申します。

皆さんご周知のとおり、北朝鮮による韓国西海-黄海-の島「ヨンピョン島」への砲撃事件以来、朝鮮半島と東北アジアの緊張が高まっています。1973年生まれであり、朝鮮戦争を体験しなかった私にとって、北朝鮮のヨンピョン島砲撃はショックです。

自分たちの主張を貫徹するためには武力挑発も辞さないという彼らの態度は韓国社会からも、国際社会からも支持を得られない無謀な行為であります。

今回の挑発には、彼らが主張し続けてきた平和協定の交渉を強制しようとする狙いがあると思われます。しかし北朝鮮の行動は朝鮮半島での平和協定の環境作りではなく、むしろ戦争の危険性をエスカレートさせている自己矛盾の結果を生み出しているのであります。

韓国と日本は、米国との連携を強化しています。米国にとってはこの地域における軍事的プレゼンスの意味をアピールするチャンスが与えられたとも言えるでしょう。

根本的な問題は、米国の覇権の亡霊を抱きしめ同盟政治へ執着するのは冷戦の遺産に新しい生命力を吹き込むことになるということであります。

韓国と米国は、中国が一番嫌がっている黄海での合同軍事演習を実施しながら、北朝鮮制裁に参加するよう中国に要求しています。その反面、6者会談首席代表緊急会合は、韓・米・日がそろって拒否しています。

最近の韓国では、イ・ミョンバク政権以来断絶した北朝鮮との対話を復元しなければならないという主張すらその立場が弱まっています。にもかかわらず、我々が直視すべきところがあります。

問題は、「解決をめざす行動」を取って行く時に、解決できます。しかし紛争が起きる度に、冷戦時代の記憶やその遺産に頼るのは、問題を解決するより悪化させてしまうのであります。

今回の事件で、実感したのは朝鮮半島の平和協定の必要性なのです。もう一つは東アジア多国間協議の枠組みの必要性であります。現在のイシューのためにも、将来の平和な秩序のためにも東アジアに求められているのは、二国間の軍事同盟ではなく、多国間協議の枠組みであります。

このような状況であるからこそ、我々の平和への意志、それからその意志を実現できる平和の力が求められているのではないでしょうか。それを今回集まっていただいた皆さんと共感できればと思います。ご静聴ありがとうございました。