2010年大会INDEX

2010年日本平和大会in佐世保「全体集会T(開会)」海外代表あいさつ

 

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ジョゼフ・ガーソン

アメリカ・アメリカフレンズ奉仕委員会

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 今年も日本平和大会にお招きいただき、日本平和委員会に感謝します。再び佐世保を訪れ、皆さんとともに、平和なアジア、核兵器も軍事同盟もない日本をめざし、不屈にたたかう沖縄の人々と連帯して活動でき、光栄です。

 オバマは最近、アジアを訪問し、アジアで展開されている新しい大きなパワーゲームでアメリカの最初のコマを進めました。その目的は、この地域のアメリカの軍事同盟を強化し、インド、インドネシアと暗黙の同盟関係を構築することで、中国にたいしてアジア、太平洋、インド洋などで自分勝手な行動はさせないと警告することでした。

 オバマ政権は、アメリカの相対的な衰退を補うため、中国が台頭し、露骨に領有拡大を主張していることから生まれる不安感につけこんで、同盟諸国にもっと資源と武力の面で協力させようとしています。そして、ヒラリー・クリントンが言う21世紀の「新しいアメリカの時」を実現するために、日本からインドまで、中央アジアからヨーロッパ、NATOまで、軍事的・政治的同盟関係を張り巡らせようとしているのです。
 
 アメリカの私たちは、北朝鮮が、挑発された訳でもないのに大規模な砲撃を韓国の延坪島に加えたという報道に衝撃を受けました。その標的が、実は領有権を争っている海域内の韓国軍基地だったことや、最初の死者は韓国海兵隊員で、攻撃は韓国軍が北朝鮮沿岸海域に試射を行った後だったことなどを知らされたのは後になってからのことです。北朝鮮の攻撃はもちろん非難されるべきですが、その原因に対処することが必要です。
 
 しかし、アメリカはその代わりに、空母ジョージ・ワシントンを黄海に派遣し、北朝鮮とそれを擁護するの中国に脅威を与えました。オバマ政権は北朝鮮がウラン濃縮計画を廃棄し、今後、核実験やミサイル実験を行わないと約束しない限り交渉の再開はないと繰り返しています。この「戦略的忍耐」政策は、挑発的な米軍演習や来週に予定されている韓国の砲撃演習と相まって、事態を「戦争の瀬戸際」にまで悪化させるかもしれません。1

 アメリカの対アジア政策の焦点は、北朝鮮ではなく中国です。米中は両国の「競争的相互依存」関係を理解していますが、軍事同盟を通じて関与と封じ込めを行い、アメリカの支配する体制に中国を組み込もうとしています。アメリカの対アジア戦略は、「アメリカの日本、韓国、オーストラリア、フィリピン、タイとの同盟関係を、アジアの安全保障の基礎」とし、日本をこの政策の「かなめ石」にしています。
 アメリカは鳩山・小沢政権の崩壊に動きました。彼らの東アジア経済共同体構想、普天間基地移設協定と核密約確認への反対が、「かなめ石」日本へのアメリカの信頼を損なっていたからです。

 インドはアメリカの新しい戦略的戦利品です。アメリカとインドの核協定に始まり、両国は中国封じ込めのための暗黙の同盟をつくりました。日本というかなめ石を補完する両国の関係は、「21世紀を定義するパートナーシップ」になるはずです。

 友人のみなさん、ユートピア的な夢を抱くことはできないでしょうが、私たちには力があり、もし私たちが別の未来をめざして闘えば、未来は私たちのものになることを証明しています。第一は、沖縄の人々の抵抗と必然的な勝利です。イハ洋一候補への30万票の支持は、コラソンさんの言う「壁の漢字」です。沖縄はすべての米軍基地撤去を勝ち取ることでしょう。第二に、第二次世界大戦後のアメリカ帝国実現のためにつくられた体制と同盟は、時代遅れで見掛け倒し、ますます正当性を失っています。経済危機が示すように、それらは「歴史のゴミ箱」になろうとしています。第三に、アメリカはいばり散らす世界の警察官であり続けることができなくなっています。初めて、米国議会には軍事予算削減の真剣な提案が出され、債務削減を検討している超党派委員会はアメリカの在外軍事基地を3分の1削減するよう勧告しました。2

 そして最後に、私たちはともに活動することが共通の利益であり必要であることを認識しなければなりません。辺野古とグアムの人々を犠牲にして宜野湾市民を苦痛から解放することは何の意味もありません。私たちは、一世代前、ヨーロッパで冷戦を終らせた概念「共通の安全保障」を追求しなければなりません。軍事優先主義はもうごめんです。それは地域や世界の存在を脅かし、戦争準備の資金は、経済発展や、国民の雇用創出、医療、住宅、教育、環境保全などに使われるべきです。「共通の安全保障」の概念では、他の国が恐れを抱くような国やその国民は安全ではありえないのです。

 友人の皆さん、アメリカの勇気ある奴隷制度廃止論者であったフレデリック・ダグラスは150年前に、たたかいなくして権力が屈服することは決してないと述べています。それは、これまでもなかったし、これからもないだろう。だから、沖縄の人々と連帯し、平和で核兵器も軍事同盟もないアジアと日本をめざしてともに闘いましょう。