2009年日本平和大会in神奈川 開会総会における海外代表あいさつ
ハネロア・トゥルケ
ドイツ平和評議会/ボン市議会議員
ドイツ平和運動からのごあいさつを送ります。
軍事基地、軍事同盟反対、平和で平等な国際関係を求めるみなさんの運動は、おおきな励ましになっています。私たちも同じことを要求しており、共通のたたかいを行っています。
ドイツにもたくさんの米軍基地があります。基地のまわりの住民は、基地による騒音や環境破壊に苦しんでいます。米軍やNATOの基地から戦争に行っており、アフガニスタンやイラク戦争の拠点になっています。これらの基地がなければ、米国主導のNATOによるアフガニスタン、イラク戦争は不可能です。
ドイツ平和運動は、これらの基地の閉鎖を求めています。ドイツ政府に対し、領土内に米軍基地を認めるすべての協定を廃棄せよと求めています。
1949年4月、NATOが創立されて以来、私たちは、NATOの解体を求めています。NATOは戦争の部隊です。
2009年4月、NATOは創立60周年を迎えました。その時開かれたNATOサミットは、21世紀におけるNATOの新しい長期戦略のための新戦略概念を検討することを決めました。この新戦略概念は2010年ポルトガルで開かれるNATOサミットで決定されます。
NATO新戦略概念でひとつの重要な点は、いわゆる包括的アプローチです。これは、安定化配備といわれるものに、民間人や国際援助組織が関与することを意味しています。対アフガン戦略の中心は、アフガニスタンへの増派です。13万の兵士を送ることが、今週発表されました。
新戦略概念のもう一つの重要な点は、通信機構と決定方式の変更です。専門家は、これは、大国に有利に力関係を変え、NATOの戦争能力を著しく拡大すると指摘しています。
NATOはロシアと敵対しています。NATO、そして特にアメリカは、グルジアとウクライナをNATOに加盟させたいと思っています。
この変化によって、NATOは国連と競い合う組織になるでしょう。その目的は、国連で戦力配備に対するロシアや中国の拒否権の行使を避けるためです。このようなNATOの再編成は、世界で新しい戦争をたたかう体制づくりをめざしているのです。
現在、ヨーロッパには2つの選択肢があります。
ひとつは、NATOやアメリカの率いる軍事行動に従って、決定に参加する権利を認められることです。
二つ目は、ロシアも含め、全ヨーロッパの協力を築くことです。
NATO戦略の展開と世界各地への軍事介入は、世界の安全保障に重大な問題を引き起こすでしょう。ヨーロッパは、ヨーロッパの相互集団安全保障のための地域体制をつくり、世界中で平和の協力をすすめなければなりません。相互集団安全保障体制ができれば、それは平和な世界に向けて、大きな影響をあたえるでしょう。戦争は選択肢ではなく、解決策でもありません。
私たちのアピールは、NATOノー、戦争ノーです。