2009年日本平和大会in神奈川 討論のまとめと行動提起
2009年12月13日(日)閉会総会
日米軍事同盟打破、基地撤去2009年日本平和大会実行委員会
実行委員会を代表して 安保破棄中央実行委員会事務局長 早坂義郎
実行委員会を代表して、討論のまとめ報告と行動提起を行います。
1、国際シンポジウムに続いて、開会総会、シンポジウム・分科会、動く分科会、青年の集会・ピースシャウト、そして今日の閉会総会とあわせて4日間、全国からの参加者の皆さん、そして外国からの友人のみなさん、ご協力本当にありがとうございました。
今大会は、4日間で述べ3,200人の参加で、大きな成功を収めました。皆さんとともに確認したいと思います。
何人かの参加者の感想を紹介します。「初参加です。本当に深く、広く学ばせていただきました。心に残る言葉もいっぱいです」(大阪・女性)、「平和問題で全国規模の大会を開催していることに感動しました」(神奈川・男性)。「来年の安保改定50年に当たって、安保廃棄がいよいよ大切だと感じました」(男性)など、多くの方から決意に満ちた感想が寄せられました。とくに昨日のシンポジウム、分科会では、さまざまな角度から「米軍基地問題や軍事同盟」と「戦争と平和」「核兵器の廃絶」の問題が深められました。そして、参加者に感動と新たなたたかう決意、元気を呼び起こし、来年の「安保50年」にむけて決起することが確認されました。
2、次に、討論の特徴と成果についてです。
第一に今大会は、夏の総選挙で戦後ほぼ一貫して政権を維持してきた自民党が政権の座から引きずり下され、民主党を中心とする鳩山内閣が登場して始めて開かれた大会です。
その鳩山内閣は今、普天間基地問題をめぐって「沖縄県民の負担軽減」を掲げながら、「日米同盟が機軸」と言う立場からアメリカの猛烈な圧力を受け、揺れ動いています。このこと自体、これまで自民党政権では考えられなかったことです。これは、国民の運動と世論が現実政治を動かしていることの表れです。今、大事なことは、沖縄県民の願いに沿って、移設先を探すのではなく「普天間基地の無条件返還を」とアメリカと本腰を入れてキッチリ交渉するように鳩山内閣に強く働きかけることです。
今平和大会として、「普天間基地の無条件即時返還、辺野古新基地計画の中止」めざし、全国が沖縄県民と心をひとつにして連帯してたたかうこと全国に力強く発信することができました。このことを、大きな成果として確認したいと思います。
第二は、日米安保体制をめぐって新しい局面が開かれていることを確認したことです。1960年に発効した現行日米安保条約は来年2010年に50年目を迎えます。今、この安保体制は「漂流する日米同盟」といわれるように日米両政府の思惑通りにはすすんではいません。これは、この間の沖縄県民はじめ神奈川、岩国はじめ全国各地での在日米軍の再編・強化計画に反対する住民ぐるみの頑強なたたかいがあったからです。
討論の中で、さまざまな角度から「日米安保」の現状や問題点が深められています。そして、「現行安保50年」目にあたる2010年のたたかいによっては、米軍基地の再編・強化計画に大きな打撃を与え、日米安保体制=「日米同盟」の見直しの展望を開く可能性も開けていることが明らかにされました。
第三に、いま世界では「平和の共同」の流れが劇的にすすんでいることが明らかにされたことです。大会史上初めて外国大使のご出席をいただきました。エクアドル在日大使です。エクアドルでは、この9月に1999年から10年間駐留したマンタの米軍基地を、国民的な運動の力で毅然と、しかも合法的に撤去させました。
国際シンポジウムではアメリカ、ドイツ、韓国、フィリピン、それぞれの国民のたたかいと国際世論が新たな高まりを迎えていることが報告されました。そして、アメリカの一国覇権主義が破綻し、国際紛争の解決のためには、軍事同盟ではなく国連を中心とした対話と平和の共同、そして核廃絶へと流れが前向きに急速にすすんでいることが明らかにされました。
米軍基地を撤去させたエクアドルやフィリピンなど外国に出来たことは、日本でも不可能ではありません。私たちの運動に、限りない勇気と励ましを与えてくれた外国のお客さんと友人の皆さんに厚くお礼を申し上げます。
3、当面の行動提起について
一昨日の基調報告で、当面の重点課題を明らかにしていますが、特に強調したい点について報告します。
@ 「基地撤去」のたたかいで沖縄が重要な焦点になっています。当面の1月の名護市長選挙で必ず勝利し、7月の参院選挙、11月の知事選挙で前進・勝利するなど一連の選挙結果によっては、米軍再編計画を白紙に戻させる可能性を切り開き、日米安保体制のうえでも新しい局面を切り開くことにもなります。「普天間基地の即時無条件撤退、辺野古新基地建設」を阻止するため沖縄県民と連帯・呼応して全国民的なたたかいへと急速に発展させることが求められています。
当面、つぎのとりくみを強調したいと思います。
○ 普天間基地の撤去と辺野古新基地撤回を求める12・17緊急集会の成功を
日 時 12月17日(木)午後6時半〜 終了後、首相官邸前を通ってデモ
会 場 星陵会館(国会議員会館裏)
首都圏と中央団体の積極的な参加をよろしくお願いいたします。
○ 名護市長選挙の勝利めざして全国から物心両面の支援を集中しましょう。
■沖縄統一連と各団体は当該沖縄県の組織へ支援を集中する。
■各団体・地方組織が支援決議を上げ、支援オルグの派遣や寄せ書き、檄布、なによりもカンパの支援を送りましょう。
A 米軍再編・強化に反対し、戦争する国づくりに反対するたたかい
- 原子力空母母港化撤回、原子炉メンテナンスの中止を求める横須賀はじめ、 座間、岩国などの米軍基地の再編・強化に反対するたたかいを、全国が連帯し引き続き発展させましょう。
- 各地の日米軍事一体化を阻止するたたかいを発展させましょう。
- 通常国会に向けて、「集団的自衛権」を認める憲法解釈や衆院比例定数の削減を狙う「国会法の改悪」を許さないたたかいを急速に発展させる。
- NPT再検討会議へ向けて核兵器廃絶の署名運動をいっそう発展させましょう。
B 安保50年」に向け、安保廃棄の世論を高めよう
基地問題はじめ国民のくらし、営業など国民を苦しめている諸悪の根源は安保条約です。草の根から旺盛な学習運動を展開し、すべての都道府県とすべての団体で安保廃棄を世論の多数をめざす取り組みをすすめましょう。
安保破棄中央実行委員会は、「安保発効50年」目の2010年6月を、「安保廃棄をめざす全国統一行動月間」に設定し、宣伝、集会、デモ、学習会などの行動を展開することを呼びかけています。参議院選挙直前ですが、すべての都道府県、地域で旺盛に何らかの行動に取り組みましょう。
4、おわりに
4年ぶりに神奈川県で開催した平和大会でした。「動く分科会」では横須賀や座間・相模原、厚木などの米軍基地を視察しました。「百聞は一見に如かず」といいますが、広大な基地や爆音をとどろかせて我が物顔で飛び交う戦闘機、不気味で巨大な原子力空母ジョージ・ワシントンなどを目の当たりにして参加者は改めて自然を破壊し、危険で、人殺しのための「外国軍基地を独立国にいつまでもおき続けることなど許さない」という決意を固めあったと思います。動く分科会に参加できなかった方も含め、このことを共通の認識にして、平和大会の目的でもありスローガンでもある「日米軍事同盟打破、基地撤去」をめざし、ともに頑張っていきましょう。
そして、来年の平和大会までにさらに情勢を切り開き、再び元気で、再会しようではありませんか。以上で、まとめ報告と行動提起といたします。
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