2008年日本平和大会の中止の決定にあたって

〜平和大会の掲げる要求を実現するチャンス=総選挙で平和の審判を〜
2008年9月26日 2008年日本平和大会実行委員会

 この間、2008年日本平和大会実行委員会は、神奈川での平和大会の開催に向けて、多彩な全国の運動を交流する充実した企画を準備してきました。ところが、9月1日の第4回実行委員会の夜、福田首相が突然の辞任を表明し、早期の解散総選挙が必至の情勢が生まれました。第5回実行委員会では、この情勢を検討し、日本平和大会の準備と総選挙の国民的な取り組みとの両立は困難であると判断し、今年の平和大会を中止する決断を行いました。
 これは今回の総選挙が、国民の平和の要求を実現する上で、極めて重要な意義を持つ選挙であるとの認識にもとづく決断です。
 今度の選挙は、昨年の参院選挙で憲法改悪・日米軍事同盟強化路線を推進する与党を、参院で過半数割れに追い込んだのにつづき、現在衆院で3分の2の議席を有する与党に厳しい審判を下し、平和の要求を実現するかつてない新たな条件をつくりだすことができる選挙です。
 福田首相の辞任も、アメリカいいなりの戦争協力政策が国民の運動によって追いつめられ、ゆきづまった結果です。この後継として登場した麻生政権は、侵略戦争に無反省なタカ派閣僚を要所に配置し、改憲や海外派兵恒久法、日米軍事同盟強化を推進する立場をあらわにしています。軍拡推進、福祉切り捨て、消費税増税の路線も変わりません。この自公政権に平和を願う国民の明確な審判を下し衆院で少数に追い込むことは、国民の平和の要求実現の新たな展望を生み出すものです。同時に、日米軍事同盟を信奉する民主党が昨年秋、海外派兵恒久法の推進を条件にして自民との「大連立」でいったん合意したような動きの危険も、見逃すことはできません。
こうしたなかで、国民の平和の願いを実現するためにいま何よりも重要なことは、アメリカいいなりの政治を変え、その根っこにある日米軍事同盟に反対する力を、国会の中に大きく広げることです。それは、新テロ特措法の延長を阻止することをはじめ、自衛隊の海外派兵のくわだてと米軍再編強化のごり押し、憲法改悪の攻撃をはね返し、平和で基地のない日本へ前進する、大きな力となるでしょう。
 実行委員会では、このように今度の総選挙が今後の平和運動の前進にとって重大な意義をもつと考え、平和大会を中止せざるをえないと判断したものです。どうかこのことをご理解いただきたいと思います。
なお、この判断を行う中では、大会の延期という問題も検討しました。しかし、日程の調整、新たな会場の確保、海外代表の再組織、準備にかかわる二重の支出など、解決しなければならない課題が多く、それは困難であると判断せざるを得なかったことも、ご理解いただきたいと思います。
 全国のみなさんがこれまで平和大会に向けてすすめてこられた、平和大会学習パンフレットも活用しての平和の世論と運動を広げる諸活動をいっそう強め、総選挙での平和の審判に結びつけましょう。そして、総選挙で平和の要求を実現する新たな展望をつくりだし、来年の平和大会に向けて、平和運動をさらに大きく発展させましょう。