2006年大会INDEX

2006年日本平和大会in岩国・広島 閉会総会における海外代表あいさつ


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デブトラリン・キナタ


グアム

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 チャモロ民族を代表し、ご挨拶します。
 グアムは日本人にとって、熱帯の島、新婚の若者たちが来るところです。海兵隊の移転に60億ドルが使われることを知っている人もいるかもしれません。グアムには大規模な米軍基地があり、島の3分の1が占拠されています。グアムはアメリカの植民地として、支配のもとにおかれています。さらなる軍備拡張はいりません。60億ドルも、基地拡張に役立つだけで、グアムの人には還元されません。
 この重要な集まりに招待していただき、日本平和大会実行委員会に心から感謝を申し上げます。とても光栄です。この大変な時に平和のためにとても献身的に活動しているみなさんにお会いすることができ、とても勇気付けられました。大会での基地の状況について情報をたくさん共有することができました。大会での討論は、帰国して運動を続ける上で、刺激にあふれたとても貴重なものでした。ここに参加した数日間の経験は、一ヶ月の調査以上のことを教えてくれました。
 アジア太平洋地域の家族のような私たちですが、これまで長い間、この見識の高い大会で行ったように、情報をうまく交換することはできませんでした。私たちには驚くほど共通の状況がありました。政治家や主流のマスコミから正確な情報を得られないことはわかっています。だからこそ、できるだけ正確な情報がいつも流れるように新たなやり方をつくらなければなりません。お互いの幸福を思いやる気持ちがあるからこそ、私たちは重要な情報があればそれを伝え合おうとしてきました。たとえ、私たちが、悪い企みを抱いた無節操な指導者たちに利用されそうになっても、私たちは同盟を作ってきました。それが、私たちが人間として真実を知り、行動するだけではなく正しいことを行うことを可能にしてきました。インターネットは私たちが迅速に行動することを可能にしました。一人だと私たちは彼らに翻弄されますが、団結すれば、山をも動かすことができるのです。
 自分たちの困難で頭がいっぱいになると、私たちは他の人たちの痛みには無関心になりがちです。平和大会は様々な平和団体が協力して行われるからこそ、この傾向を完全にとは言わないまでも、ほとんど乗り越えることができるのだと思います。
 みなさんはこの大会を開くまでに非常にたいへんな仕事をされてきたことでしょう。これは私たちにとって可能な、将来への最高の投資だと思います。なぜなら、みなさんがどれだけ固い決意で、また、自らを犠牲にして活動しているかということは、みなさんの目をみればわかるからです。みなさんの運動は、他では見たことがない、平和、正義、人間の命を守る運動です。
 私がパーソナリティを務めるラジオ番組や海外で話をする機会によく言うことですが、私たち大人は子供たちが人生を形成するうえでお手本とならなければなりません。義務や責任を口で言うのは簡単ですが、こどもたちが本当に見て真似をするのは、私たちの実際の行動なのです。みなさんの運動は口だけでなく、しっかりと行動を伴ったものです。
岩国で会ったみなさんの献身的な努力のなかに私は強さを感じました。私はこの強さをいただいてグアムに帰ります。みなさんからの連帯のメッセージは、私の胸を打ちました。みなさんや、韓国やアメリカの兄弟姉妹たちが耐えてきた困難やたたかいを学び、私はグアムの困難から、少し視野を広げることができ、ほかの国にも苦しんでいる友人たちがいることに目を開かされました。そして、この大会を通じて、アメリカ人全部が冷酷で利己的でないことも知りました。
 TJ・ジョンソンさん、本当にありがとう。あなたは、アメリカ人に対して私が抱いてきたとても根深い不信と疑いのかたまりを打ち砕いてくれたのです。
 アメリカ政府がグアムの私たちをまともに扱ってこなかったことは知っていますが、アメリカの他国との関係や行動は、まったくもって悪質なものだと結論せざるを得ません。アメリカは私たちに対してだけではなく、明らかにアメリカ自身の国民に対しても高圧的な手法を使っているのです。自分の政府が、グアムのようなほかの国の人々にひどい扱いをしているということに気がついたアメリカ国民の批判と反対の声は、だんだん大きくなってきています。彼らの声がアメリカの指導者たちの耳に届くことを望みます。その日まで、私たちはネットワークを作り、人々を教育し、家族と私たちの未来のために、祖国をとりもどすたたかいを果敢に続けていくつもりです。
 グアム、沖縄、日本、フィリピン、韓国、どこにも米軍基地はいりません。ノーモア、米軍基地!
 みなさんに次にお会いできる日を楽しみにしています。みなさんの家族であるグアムのチャモロ民族の、心からの感謝を申し上げます。