2006年大会INDEX

2006年日本平和大会in岩国・広島 閉会総会における海外代表あいさつ


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T・J・ジョンソン


アメリカ合衆国

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 今日ここで、兵器と戦争、そしてより公正で平和な世界を目指す私たち共通の展望を切り崩そうとする軍国主義に反対してみなさんと一緒に声を上げられて、嬉しく、光栄に思います。
 私たちは一人ではありません。今まさにこの時にも、アメリカ各地で、戦争に反対し、イラク国民への無法な占領と暴力に加担することを拒否したエーレン・ワタダ中尉のような勇気ある人びとを支援するために、さまざまな集会やデモが行われているのです。
 「軍務拒否者支援全国行動デー」は、イラク戦争に反対する草の根の運動です。国民の大多数が今アメリカのイラク政策に反対で、先月の選挙では、野党の民主党が議会の過半数を占め、ブッシュ政権に対して変化を迫るはっきりとしたメッセージを送りました。
 イラクに関しての政治の風は方向転換したわけですが、この選挙結果は、アメリカが世界で唯一の超大国としての地位を、必要ならばどんな手段を使ってでも守るべきだという考え方までも拒否したわけではありません。実際、私の国ではいまだに、アメリカの経済的帝国主義を支えるために軍事優先主義を支持するという政治的コンセンサスが存在しています。ですから最近、民主党が来年度の新たな軍事予算として750億ドルを要求したのは驚くにあたりません。
 この選挙は、イラク戦争を終わらせる新たな機会となったかもしれませんが、私たちが軍国主義と兵器と戦争に立ち向かう強大な国際的共同を緊急に作りあげる必要性は、少しも弱まっていないのです。
 アメリカの公民権運動の偉大な指導者、マーチン・ルーサー・キング牧師は、「大切な問題に口をつぐんだその日から、われわれの生活は終わりに近づき始める」と述べました。ですから、キング牧師の精神にもとづいて、声を上げ続けようではありませんか。
 核兵器複合体を近代化させて、年間125発もの核兵器を新たに製造しようというアメリカ政府の計画に、ともに反対の声をあげましょう。北朝鮮やイランが核を持たなければ世界はより良くなるというのであれば、アメリカが1万発の核兵器をなくせば、世界はもっと良くなるはずではないでしょうか?
 宇宙に大量破壊兵器を配備しようというアメリカの計画に反対の声を上げましょう。130カ国もの国々に700以上も存在する米軍基地の閉鎖を要求しましょう。
 全世界のほかの国々の軍事支出の総計の2倍を超えるアメリカの軍事予算に反対して声を上げましょう。
 さらに、声を上げて日本国憲法改悪の策動に反対しましょう。9条の削除ではなく、世界の全ての国々が9条のように明確に情熱を込めて、戦争と暴力を放棄すべきだと要求しましょう。
 子どもたちや孫たちのために、そして未だ生を受けていない世代のために声を上げましょう。
 平和のために、共に声を上げましょう。